ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

大石直紀「階上の女」

(「小説宝石8月号」)

小説宝石 2009年 08月号 [雑誌]
同号で官能小説特集をやっていて、大御所3人の旧作が再録されている。
  宇能鴻一郎「花くらべ」
  川上宗薫「女の魔性」
  富島健夫「おさななじみ」
もう、みんな、いかにもな題名である。
で、やっぱり宇能先生は引用したくなってしまう。
書き出しだけ。

 あたしって、どうしたらいいのかしら。
 二階に学生さんを下宿させたときは、こんなことになるなんて、思いもしなかった。
 いえ、ウソなんです。

これが新井素子に多大な影響を与え、ラノベ文体のルーツともなった宇能魔術である(←ありふれたウソ)。


今号の官能小説特集では、もちろん新作も寄せられており、神崎京介森奈津子が書いているが、凄かったのは大石直紀の短編。

 ビシッ――
 乾いた音が頭上で響いた。
 ビシッ――
 パソコンのキーボードから指を離し、天井を仰ぎ見る。
 音は確かに上から聞こえてくる。
 ビシッ――

書き出しがこれで、タイトルは「階上の女」。女がああもしているのか、こうもされているのか、と妄想は膨らむ。しかし、官能小説らしからぬ展開をみせるのだ、この短編は。書いた大石も偉いが、特集に配置した編集部も偉い。


デヴィッド・ボウイから好きな曲を5つ選ぶなら、<1984〉も入れるな、僕は。
ダイアモンドの犬

  • 22日夜の献立
    • 鶏、なす、ピーマンの中華風炒め(しょうゆ、しょうが、にんにく、酒。ニンジン、玉ねぎ、オイスターソース、黒酢、こしょう)
    • キャベツの浅漬け
    • チンゲン菜と玉ねぎの味噌汁(かつおだしと間違えて野菜ブイヨンの粉末を投入。結果的になんだかヘルシー、笑)
    • 胚芽米と雑穀のごはん
    • ビール、雑酒


アベフトシ死去。
幕張メッセで見たミッシェル・ガン・エレファント、かっこよかったな……。