ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

『バンド臨終図巻』追記

(同書で僕が担当した項目に関し、今年2月の入稿以後にみられた動き、紙幅の関係で削った要素などをざっとメモ)

ピンク・フロイド

2005年のライヴ8での再結成が一時的なものに終わったのはデイヴ・ギルモアの意向であり、自分は継続に前向きだったとロジャー・ウォーターズがAPに語った。ウォーターズは、06年の『狂気』ツアーに続き、今年『ザ・ウォール』ツアーを予定しており、相変わらずフロイド音楽の再現をビジネスにしている。

レッド・ツェッペリン

これまでツェッペリンの再結成にたびたび参加してきたジェイソン・ボーナム(オリジナル・ドラマー、ジョン・ボーナムの息子)が、ツェッペリン・トリビュート・ツアーを計画しているとガーディアン紙が5月に報じた。ライヴではホーム・ムーヴィーなどを映して父を偲びつつ、ZEPナンバーを演奏するんだとか。

キング・クリムゾン

3代目ドラマー、イアン・ウォーレスは2008年に食道癌で死去したが、生前、ザ・クリムゾン・ジャズ・トリオというプロジェクトで、キング・クリムゾンをジャズ・アレンジしたアルバムを2枚制作していた。
一方、ロバート・フリップ夫人のトーヤは、『In The Court Of The Crimson Queen』(2008)asin:B002XYK9Z2というアルバムを発表していた。これは夫のバンドのファースト『In The Court Of The Crimson King クリムゾン・キングの宮殿』のもじりであり、今年発売された日本盤は『21世紀のスキッツォイド夫人 クリムゾン・クイーンの宮殿』と題されていた。こちらは、クリムゾンの代表曲「21世紀のスキッツォイド・マン(旧邦題:21世紀の精神異常者)」のもじり。
フリップがあの手この手の衣替えでクリムゾン再発売を繰り返していることはよく知られているが、周辺にいる人たちもあの手この手で頑張ってきたのであった。

レインボー

レインボーの初代ヴォーカル、またブラック・サバスの2代目ヴォーカル(この時期を後に再現したバンドがへヴン・アンド・ヘル)として知られ、自身のバンド、ディオでも活躍したロニー・ジェイムズ・ディオは、5月16日、胃癌のため死去した。

セックス・ピストルズ

かつてファッション・デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドをパートナーとし、ピストルズのマネージャーとしてその宣伝戦略で悪名をはせたマルコム・マクラーレンは、4月8日、中皮腫のため死去。棺は、ラジカセ風にペイントされていた。

PLASTICS

2007年に中西俊夫立花ハジメ佐久間正英のオリジナル・メンバーと屋敷豪太(Dr)により再々結成されたが、今年はこのメンバーで本格的に再始動し、ライヴを行っている。チカが参加しないかわりに、ステージではマドモアゼル・ユリア、SAORIという女性ヴォーカルが加わっている。

オアシス

兄のノエル・ギャラガーは、3月25日にロイヤル・アルバート・ホールでアコースティック・ライヴを行った。バックに元オアシスのゲム・アーチャー(G)、オアシスのサポート・メンバーだったジェイ・ダーリントン(Key)をしたがえ、オアシス・ナンバーを歌いまくった。
一方、弟のリアム・ギャラガーは、やはりゲム・アーチャー、アンディ・ベル、クリス・シャーロックという元オアシス組と引き続き行動をともにし、新バンド「「ビーディ・アイ(Beady Eye)」として活動していくと息巻いている。

ザ・リバティーンズ

3月末、オリジナル・メンバーでの再結成と、今年のレディング/リーズ・フェスへの出演が明らかにされた。

−−(機会があれば追記はつづく、かも)

  • 最近自分が書いたもの
    • 「長いエピローグのような」(村上春樹1Q84 BOOK3』の短評) → 「ROCKIN’ON」7月号