ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

ルー・リードと映像

ニューヨーク・ストーリー―ルー・リード詩集
10月27日に亡くなったルー・リード関連の音源や映像をいろいろ視聴し直している。
最近で彼について考えたのは、『ソーシャル化する音楽 「聴取」から「遊び」へ』の刊行記念トークショーの時だった。『イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化』著者・渡邉大輔氏が出演することもあり、音楽と映像の関係の時代的変化を象徴する人物として、ルー・リードに言及するつもりでいた。
デビュー前のヴェルヴェット・アンダーグラウンドでは、音楽、ダンス、フィルム、照明を組みあわせたアンディ・ウォーホールのマルチメディア・イベント「エクスプローディング・プラスティック・イネヴィタブル」で演奏。ナム・ジュン・パイクの衛星中継イベント「グッド・モーニング、ミスター・オーウェル」へ出演。U2のZOOTVツアーでの、ボノとルー・リードが衛星中継で“サテライト・オブ・ラヴ”をデュエットしているという演出。視覚効果に力点を置いたパフォーマンス・アーティスト、ローリー・アンダーソンとのパートナー関係。
ルー・リードは、歌詞以上の詩を志向しつつ、シンプルなロックンロールを演奏し続けた人だったが、その歩みをふり返ると、シンプルではないメディア・アート的なものとたびたびかかわっていた。また、MTV全盛の80年代には“ヴィデオ・ヴァイオレンス”という曲も残している。その意味では『イメージの進行形』でいうところの「映像圏」の変遷を語るのにうってつけの人物である。だから、トークショーで語ろうと思ったのだが、結局、時間の都合で触れることができなかったのが残念。
機会があれば、いずれあらためてルー・リードについて書きたい。


自分の好きなルー・リード5曲を選ぶならこんな感じ。

  • “サテライト・オブ・ラヴ”(『トランスフォーマー』)
  • “暗い感覚”(『ベルリン』)
  • “キックス(刺激)”(『コニー・アイランド・ベイビー』)
  • “ウェイヴズ・オブ・フィアー”(『ブルー・マスク』
  • “ダーティ・ブルヴァード”(『ニュー・ヨーク』)

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドからは

アルバムを1枚だけ選ぶならこれ。

  • 『ライヴ・イン・イタリー』

ライヴ・イン・イタリー(紙ジャケット仕様)





  • 最近自分が書いたもの
    • 石持浅海著『ブック・ジャングル』の文庫解説

ブック・ジャングル (文春文庫)