- 作者: 上妻祥浩
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『ポセイドン・アドベンチャー』、『エアポート』シリーズ、『大地震』、『日本沈没』、『ノストラダムスの大予言』など、70年代のパニック映画の数々をふり返った本。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309274928/
私は、初めて映画館で見た映画が『タワーリング・インフェルノ』であり、初めて好きになった英語の歌が“タワーリング・インフェルノ・愛のテーマ / WE MAY NEVER LOVE LIKE THIS AGAIN”だったから、本書における著者の『タワーリング・インフェルノ』愛には、えらく共感した。
私が最初に好きになった音楽領域は映画音楽で、海外ではジョン・ウィリアムズがお気に入りだった。その出会いも『タワーリング・インフェルノ』だったし、彼はその後も『大地震』、『ジョーズ』とパニック映画系が続いた後、『スター・ウォーズ』に至った。
一方、私は本格ミステリに関しては、名探偵の活躍やロジック以前に、まず閉域のイメージが好きというのがあった。雪の山荘、孤島、館、密室などの閉域で危機にさらされ、疑心暗鬼に陥り、傷つき朽ちていく人々の姿や感情になぜかひきつけられる。
ミステリ性とは別の、その閉域好みも遡れば、『タワーリング・インフェルノ』の火に囲まれて逃げられない高層ビルに代表される70年代パニック映画のシチュエーションが、一つの原イメージになっていた。
そういう意味で『絶叫!パニック映画大全』は、いろんなことを思い出させてくれる楽しい本だった。
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