ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

「宝島」休刊号

自分がまだ中学・高校生だった1970年代に出会った雑誌に、近年になってからようやく原稿を書く機会を得たのは、なんだか不思議な経験だった。で、「本の雑誌」はあまり変わらぬ風情のまま今も続いているけれど、「宝島」は何度もリニューアルしてまるで別の雑誌になっていた。
てなわけで、「宝島」休刊号の書評では羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』をとりあげた。もう、今回のスクラップの後、同誌がまたビルドされることはないのだろうけれど……。
そして、このほど私が刊行した『戦後サブカル年代記 -日本人が愛した「終末」と「再生」-』のなかでは、羽田の小説とは別の意味あいで「スクラップ・アンド・ビルド」をキーワードの一つにしている。自著では、「終末」と「再生」の反復である歴史に対して、バブル景気に沸いた1980年代の楽観的態度を象徴するフレーズとして「スクラップ・アンド・ビルド」を登場させている。

宝島 2015年 10 月号 [雑誌]

宝島 2015年 10 月号 [雑誌]

スクラップ・アンド・ビルド

スクラップ・アンド・ビルド