ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

上記原稿に書かなかったこと。


今度の新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、「スター・ウォーズ」サーガが、アナキン・スカイウォーカーダース・ヴェイダー  − レイア姫ハン・ソロ−カイロ・レン、レイの3世代にまたがった物語であることを強調した内容になっていた。意図的に過去のシリーズ作品のエピソード、風景を反復変奏しており、なじみのキャラクターも多く登場する。中高生時代に第一シリーズに熱狂した観客は、中年で第二シリーズ、壮年で新シリーズを見るという寸法。なかには、この期間にできた子どもを連れて観に来た人たちもいただろう。
しかし、あれほど鳴り物入りだったにもかかわらず、日本では、興行直後の週末の観客数では、『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』のほうが上回ったのだという。3世代にわたる物語を70年代から作り続けている「スター・ウォーズ」は、個々の作品のテンポは速いが、シリーズの制作進行はあまりにも気長なものだ。それよりも、今すぐ親子で行ける、というか、子を親が連れて行かなければいけない『妖怪ウォッチ』が初速で勝利したのは、いたしかたないのかもしれない。――初週末の興行に関する報道に接した際、そう思った。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 オリジナル・サウンドトラック(初回スリーブ仕様)

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