古市憲寿の初小説『平成くん、さようなら』を読んだら結末に、時代の技術水準が違うゆえの差はあるけれど、島田雅彦『天国が降ってくる』に通じる発想がみられた。
考えてみれば、サヨク/青二才/ヒコクミンを偽悪的に自身や登場人物のキャラにしていた初期の島田のあまのじゃくぶりは、今の古市の炎上キャラに近いところがある。肉体性が希薄な点も2人に共通するところであり、2作の結末の親近性もそれに起因する。
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