『生活の恐怖 お母さん!台所が危険です』

 

 

 今日、神保町ブックフェスティバルで久しぶりに実物に再会し、手に取って買おうかどうか迷ったけど、今さら自分が読み返すとも思えず見送ったのがこの本である。小学生の頃、千葉市コミュニティセンターの図書室で借りて、ここで語られる食品添加物、着色料、保存料、洗剤などの毒性、発がん性の恐ろしさにビビりまくった。読後は、ファンタなどの清涼飲料水、豆腐、レモンなどを遠ざけようとしたけれど、結局、やっぱり腹減るし喉乾くし、たとえ疑わしいものでも口に入れるしかないと、子ども心にあきらめたことを思い出す。そういう風にして大人になっていったのだった。

 後年、「週刊金曜日」発で話題になった『買ってはいけない』を読んだ時になつかしく感じたのは、忘れていた『生活の恐怖』を想起したからだろう。良かれ悪しかれ、不安を煽るこの種の企画が伝統芸になっていることを認識したからでもある。

 私が『戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と「再生」』で「食」も含め公害、環境問題など汚染を一つのモチーフにしたのは、そうした子ども時代の一種の原体験が反映された結果でもある。