『IT/イット THE END』『ドクター・スリープ』

 

 

 

  昨日の『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』に続き、今日もスティーヴン・キング原作の『ドクター・スリープ』を観た。キューブリック版『シャイニング』の続編でありつつ、キング原作版『シャイニング』の大きな要素もとりこみ、作品として両者の和解融合を図る高等戦術。よく練られていた。

『IT/イット THE END』と『ドクター・スリープ』は、過去の出来事とむきあう点が共通する。ただ、前者はルーザーズ各人の“自身”をめぐる物語であるのに対し、後者は子どもの時に助けられた主人公が、大人になって助ける側にまわる“役割”継承の物語。二作を日替わりで観て、その違いを面白く思った。

 

アナと雪の女王2』もそうだったが、『ドクター・スリープ』を観ていて『スター・ウォーズ』シリーズのようだと思うところがいくつかあった。相手の首をつかんでの吊し上げ、分身を用いての戦いといった個別の要素もそうだが、視覚的で具体的なアクション、スペクタクルと、ある種のスピリチュアルな精神主義ブレンドという配分のしかたに近しさを感じたのだ。

 しかし、『アナ雪2』はともかく、考えてみればスティーヴン・キングの作家活動と『スター・ウォーズ』シリーズは、いずれも1970年代にスタートしていた。キングのデビュー作『キャリー』の刊行が1974年、邦訳が1975年、ブライアン・デ・パルマ監督による映画化が1976年(日本公開1977年)。一方、最初に制作された『スター・ウォーズ』(エピソード4/新たなる希望)公開が1977年(日本公開1978年)。『キャリー』は『ドクター・スリープ』でも扱われる超能力を主題にした作品であり、『スター・ウォーズ』はフォースと呼ばれる超能力が、物語の中核となっていた。

 私は、キングの諸作と『スター・ウォーズ』シリーズにいずれも初期から触れてきた。両者は、超常現象に関する世間的なイメージ形成では同時代に長いこと並走してきたのだし、具象的表現とスピリチュアルな意味づけの配分が相似しているのも不思議ではない。『ドクター・スリープ』を観て、あらためてそう考えたのだった。

 

キャリー (1975年)

キャリー (1975年)

 

 

 

スター・ウォーズ

スター・ウォーズ

 

 

最近の自分の仕事

-新鋭・気鋭特集で井上真偽氏インタビューと作家紹介1つ、ランキングでは国内作品レビュー3つを担当 → 探偵小説研究会編著『2020本格ミステリ・ベスト10』

 

2020本格ミステリ・ベスト10

2020本格ミステリ・ベスト10