ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

中沢けい『海を感じる時』

【聞く連続読書会「昭和50年代文芸を読む」】2025/11/21(金)19:30~ 第4回・中沢けい『海を感じる時』(スピーカー:円堂都司昭仲俣暁生

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 11/21の読書会に向けてを何十年ぶりかで再読。1970年代後半に高校生女子の性体験を描いて話題になったが、それと同等に母娘関係がテーマになっている。あと、石原慎太郎太陽の季節』の女が死なず意外に強いヴァージョンのようにも感じた。

 

 『海を感じる時』(1978年)は女性主人公の16歳から18歳を描いているが、同作発表の翌年には中上健次原作の映画『十八歳、海へ』や、池田満寿夫が自作小説の映画化を監督した『エーゲ海に捧ぐ』が公開された。後者のイメージソングで大ヒットした「魅せられて」は「女は海」と歌っていた。海、流行ってたのか?

 

 ベストセラーになった中沢けい『海を感じる時』(1978年)は、翌年レコード化されている。五十嵐麻利江が歌う『海を感じる時』だ。全曲が小椋佳作詞作曲で鈴木茂村上ポンタ秀一高橋幸宏難波弘之などが演奏するすごい布陣。フュージョンに力を入れたBETTER DAYSから出ていた。

 原作『海を感じる時』では、主人公が「好きだ」と先輩男性に伝えるコーヒーショップ内で、同時代のヒット曲である岩崎宏美“ロマンス”が流れる。五十嵐麻利江『海を感じる時』の収録曲では“あなたの下宿”が、当時のアイドル歌謡曲風のアレンジになっている。

 

 

最近の自分の仕事

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-二・五次元の焼肉――金原ひとみ『ミーツ・ザ・ワールド』 https://note.com/endingendless/n/nedd698246770

 

 

最近noteにアップした過去原稿

-ジミ・ヘンドリックスの像の変遷

-乱歩歌舞伎 感想

-《聖なる館》、『狂熱のライヴ』、《永遠の詩》――レッド・ツェッペリン

-プログレ、テクノのジェフ・ベック

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-グラム・ロックからポスト・ロックへ――ブライアン・イーノの艶やかな冒険

-ビートルズセックス・ピストルズ

-セックス・ピストルズを自由に聴くために――クイーン、ザ・スミスとか

-セックス・ピストルズ周辺から芽吹いたポスト・パンク

-デヴィッド・ボウイのベルリン時代――12のサウンド&ヴィジョン

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