近刊予告『意味も知らずにプログレを語るなかれ』

 

 

意味も知らずにプログレを語るなかれ

意味も知らずにプログレを語るなかれ

 

意味も知らずにプログレを語るなかれ|商品一覧|リットーミュージック

 

 有名洋楽曲を歌詞の方面から読み解く『意味も知らずに〜』シリーズの第4弾は、プログレッシブ・ロックがテーマ。

 

収録予定曲(全24曲)

ピンク・フロイド

「Arnold Layne」

Eclipse

「Wish You Were Here」

「Another Brick In The Wall Part II)」

キング・クリムゾン

「21st Century Schizoid Man」

「Epitaph」

「The Letters」

「Starless」

「Elephant Talk

◎イエス

「Roundabout」

「Close To The Edge」

「Soon (from "The Gates of Delirium")」

ジェネシス

「The Musical Box」

「Watchers Of The Skies」

「Cuckoo Cocoon

「Land Of Confusion」

◎エマーソン、レイク&パーマー

「Promenade 2」

Battlefield

「Karn Evil 9-First Impression Part 2」

◎U.K.

「In The Dead Of Night」

 

◎エイジア
「Heat Of The Moment」
◎ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター
「Killer」
ジェスロ・タル
「Thick As A Brick」
◎ザ・ムーディー・ブルース
「The Night-Nights In White Satin」

 

 

『ディストピア・フィクション論』とクイーン

 

 (バンドじゃない方の)クイーン再入門の「ミステリマガジン」7月号。書評欄で松坂健氏がとりあげたなかの1冊に『ディストピア・フィクション論』が。ミステリを話題にした部分があるとはいえ、どちらかといえば「SFマガジン」寄りの内容なのに恐縮です。同書では(バンドの方の)クイーンにも触れています。

 

ディストピア・フィクション論』でなぜクイーン? と思われるかもしれんが、ディストピアSF映画の古典『メトロポリス』の1984年版の主題歌がフレディ・マーキュリーで、その関係からクイーン“RADIO GA GA”MVには同作の映像が使用されていた。

 

 また、それ以上に、映画『ボヘミアン・ラプソディ』でスルーされた南アフリカ公演騒動が「分断」というディストピア的問題と関わる出来事だったから、『ディストピア・フィクション論』でクイーンをとりあげたのだった。

 

ディストピア・フィクション論: 悪夢の現実と対峙する想像力

ディストピア・フィクション論: 悪夢の現実と対峙する想像力

 

 

 

最近の自分の仕事

樹木希林の名言集がベストセラーに 演技と実生活に見る、異質なものを同居させる力量 https://realsound.jp/movie/2019/04/post-354221.html

・葉真中顕『Blue(ブルー)』刊行記念インタビュー https://www.bookbang.jp/review/article/566275

劇団四季ミュージカル『キャッツ』、なぜ愛され続ける? 時代を超えて人々の心を打つ楽曲の魅力 https://realsound.jp/2019/05/post-356781.html

・葉真中顕『Blue(ブルー)』書評 → 「ハヤカワミステリマガジン」7月号

 

さやわか『名探偵コナンと平成』

 この作品を考察することで現在における真実をも論じた本書、面白かった。被害者と加害者の男女比率や動機の時期ごとの変化を語った部分など興味深く読んだ。

 

名探偵コナンと平成 (コア新書)

名探偵コナンと平成 (コア新書)

 

 

 

最近の自分の仕事

  • 葉真中顕インタビュー、芦原すなおハムレット殺人事件』、呉勝浩『バッドビート』の書評 → 「小説宝石」5月号
  • 本城雅人『崩壊の森』書評 → 「モノマスター」6月号

最近の自分の仕事

『ディストピア・フィクション論』 目次

 

ディストピア・フィクション論: 悪夢の現実と対峙する想像力

ディストピア・フィクション論: 悪夢の現実と対峙する想像力

 

 

円堂都司昭著『ディストピア・フィクション論 悪夢の現実と対峙する想像力』(作品社) 目次

序章 みなさまご存じのディストピア
      赤川次郎ディストピア小説
      「ぬり絵」としての『東京零年』

第一章 監視と管理
   一 悪しき統治を想像する
      『「統治」を創造する』の理想像
      『われら』『一九八四年』『すばらしい新世界』の硬い公共
       身体、言葉、人間関係の支配
      科学的管理の洗練
      ディズニー的な『プリズナーNo.6』
      『一九八四年』と一九八四年の落差
      『ドーン』の分人主義
      アメリカという名の一人の友人
      高度化するセキュリティと対抗手段
      『虐殺器官』の管理のフィルター
      健康が強要される『ハーモニー』
      壁からフィルターへ
   二 監視社会の寓話
      ディストピア小説フェアの伊坂幸太郎
      情報のつなぎあわせ
      機械化されたシステム
      国という記号を使ったエンタメ小説
      見通せない個人に訪れる理不尽な運命

第二章 権力の戯画と理想
   一 権力の戯画
      保守からみたディストピア『カエルの楽園』
      『動物農場』との共通項
      プロパガンダか寓話か
      サヨクによる政権風刺『虚人の星』
      自分の思う現実を置き換えたパズル
      安倍でありアドルフである『宰相A』
      日本風刺小説のなかの天皇
      肥大したマッチョの不能
      国民感情の戯画
   二 権力の理想
      角栄を美化した石原慎太郎
      『シン・ゴジラ』の音楽 
      巨大不明生物出現のシミュレーション
      理想の組織的総合力
      「Who Will Know」の美しさ
      日本が超自我であるカヨコ
      ゴジラの異物感

第三章 同調と世代を超えること
   一 記憶と絆
      『シン・ゴジラ』『あまちゃん』への批判
      時間の早送りと巻き戻し
      世代を超越するなにか
      忘却の罪悪感とらえた『君の名は。
      組紐と「ムスビ」
   二 壁による隔離と合唱の連帯感
      怒りとともにふり返ってはいけない
      レディオヘッドとクイーン
      一体感自体がメッセージ 
   三 同調の光と影
      3・11後の音楽
      ヒロシマからフクシマへ
      「上を向いて歩こう」の回帰
      強い「絆」からゆるいつながりへ
      『想像ラジオ』の静かな同調
      木と声
      ヒューマニズムの忌避
      『ボラード病』の同調圧力
      水俣病患者の「君が代
      RADWIMPSHINOMARU」への批判

第四章 分断の寓話、都市の統合
   一 時間の遡行、精神の退行
      『猿の惑星』の国旗
      『キングコング』と9・11
      過去の隠蔽、未来の変更
      『闇の奥』へ遡る
      猿と人のキス
      戦場のディストピア
      『蠅の王』の少年たちと猿
      種族の歴史と個人の記憶
      科学的ディストピア神秘主義
   二 都市の見えない部分
      『ズートピア』の社会構造
      群集の人、見えない人
      『都市と都市』の見えない壁
      分断国家のアレゴリー
      『あらしのよるに』における異種族間の友情
      ライシテが空無化する『服従
      『呪文』における食
      私たちの肖像画としての『東京自叙伝』
      『俺俺』の食いあうものたち
      無数の私の無責任

第五章 身体とジェンダー
   一 身体の支配と逸脱
      『百年法』の独裁
      昭和と平成、天皇二代に象徴された高齢化
      『七十歳死亡法案、可決』の家族事情
      『九十八歳になった私』がぼやく
      ゾンビの多義性
      魂なき体と労働
      ロボットとフランケンシュタインの原則
      『屍者の帝国』のカラマーゾフ
      『ブレードランナー』の模造記憶
      幸福の基盤
   二 生殖と性差
      ロボット/レプリカントの性 
      『鉄腕アトム』のロボット法
      恋愛が無意味な『わたしを離さないで』
      逃亡も抵抗もしないクローン
      『侍女の物語』における生殖
      無自覚、陳腐な悪
      『アカガミ』と『徴産制』の出産推進政策
      ジェンダーをめぐるバックラッシュ
      『リリース』のリベラルな悪夢
      性、家族が解体される『消滅世界』

第六章 環境と戦争
   一 環境への適応と俯瞰、サバイバル
      世界に復讐する『キャリー』
      『地球星人』と科学的管理法・優生学
      映画『美しい星』の気象予報士
      『不都合な真実』が語る大問題と承認欲求
      『サバイバルファミリー』と「見えない都市」
      「見えない世界」からむき出しの欲望へ
      『東京島』と団地
      『バラカ』の棄民
      東京を問題圏に引きずりこむ
      「献灯使」の鎖国と『地球にちりばめられて』
   二 戦争と共生
      地球市民と『美しい国へ』
      『大きな鳥にさらわれないよう』の戦争不在
      『この世界の片隅に』の空
      歴史の再現と『ディレイ・エフェクト』
      『高い城の男』の歴史改変
      日本合衆国の狂信
      『ミライミライ』における世界地図の変容
      ニップノップの多様性

終章 ポスト真実のなかの言葉
   一 データと象徴 27
      左派マンガとしての『R帝国』
      『銃』とAI
      『平成くん、さようなら』と『ニムロッド』の差
 20象徴であり「空」である「箱の中の天皇
   二 子どもの無垢と子どもじみた無軌道
      「アメリカの壁」と『アンダー・ザ・ドーム
      日常の不安と非日常の恐怖の共振
      子どもの悪戯 
   三 一貫性のある過去
      『帰ってきたヒトラー』を笑う/と笑う
      バベルの塔からポスト真実
      『華氏451度』とポピュリズム
      歴史が『愉しみながら死んでいく』
      『図書館戦争』と図書館の現実
      『小説禁止令に賛同する』の読者
      『地下室の手記』の水晶宮
      『君たちはどう生きるか』の過去と未来
      人類の経験

あとがき
参考文献
索引

古市憲寿と島田雅彦

古市憲寿の初小説『平成くん、さようなら』を読んだら結末に、時代の技術水準が違うゆえの差はあるけれど、島田雅彦『天国が降ってくる』に通じる発想がみられた。
考えてみれば、サヨク青二才/ヒコクミンを偽悪的に自身や登場人物のキャラにしていた初期の島田のあまのじゃくぶりは、今の古市の炎上キャラに近いところがある。肉体性が希薄な点も2人に共通するところであり、2作の結末の親近性もそれに起因する。

平成くん、さようなら

平成くん、さようなら

天国が降ってくる (講談社文芸文庫)

天国が降ってくる (講談社文芸文庫)

『プリズナーNo.6』の二次創作

ジャーロ」最新号ではイギリスの伝説的ドラマ『プリズナーNo.6』のノベライズ小説について書いた。また、「小説宝石」9月号の小枠でとりあげた『『プリズナーno.6』完全読本』では、同ドラマの二次創作小説についても紹介されていた。
で、それらを読んで思い出したのが、昔、「ROCKIN’ ON」に『プリズナーNo.6』のパロディ小説が掲載されたこと。バックナンバーを確認したところ、1980年9月号の四本淑三「“壁”を積みあげるプリズナーとしてのピンク・フロイド ベーシスト=ロジャー・ウォータース」がそれだった。
この原稿では、フロイドのロジャー・ウォーターズが主人公のNo.6、ゲイリー・ニューマンが「村」の指導者であるNo.2という配役でお話が綴られている。フロイドはウォーターズを中心にして、壁に囲まれることをテーマにしたコンセプト・アルバム『ザ・ウォール』を制作したし、ニューマンーの代表曲は車のなかにいれば安心すると歌う“カーズ”だった。だから、「村」というディストピア的な閉域を舞台にした『プリズナーNo.6』に親和性のあるキャラクターとして彼らを配役したのだろう。
四本の同原稿には、デヴィッド・ボウイの曲名でもある「ビッグ・ブラザー」(オーウェル『一九八四年』の独裁者)という言葉が出てくるほか、ヒカシュー一風堂ブライアン・イーノシド・バレットも登場する趣向になっていた。