ジンジャー・ベイカー死去

https://www.afpbb.com/articles/-/3248252?pid=21719284

 

 ブライアン・メイが「求む、ミッチ・ミッチェルジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス)、ジンジャー・ベイカー(クリーム)タイプのドラマー」とメンバー募集し、やって来たのがロジャー・テイラー。そうしてクイーンの前身バンド、スマイルはできあがった。クリームの再結成ライヴDVDの客席にブライアン・メイの姿が一瞬見えるのも、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の序盤で“サンシャイン・ラヴ”が流れるのも、そうした経緯が背景にある。

https://www.instagram.com/p/B3SRTLThpUg/?igshid=17lmlvigyuvcy

 

 村上龍原作映画『69』のオープニングで“ホワイト・ルーム”が流れるのも印象的だった。

 

 クリームは60年代の空気を象徴するバンドであり、ドラムでその土台を支えていたのがジンジャーだった。

「QUEEN -HEAVEN-」

コニカミノルタプラネタリア TOKYO」で上映中の「QUEEN -HEAVEN-」。ブライアン・メイ監修によりドイツで2001年に制作された映像作品である。

https://planetarium.konicaminolta.jp/planetariatokyo/program/planetarium1/summer_19_3/


Queen Heaven - Trailer (360° Video)

 

 天文学者でもあるメイ監修のもと、クイーンの音楽を聴きながらプラネタリウムの360度半球スクリーンで映像を鑑賞する。そのような前情報から、もう少し宇宙寄りの内容を想像していた。だから、宇宙戦争を描いたSF映画フラッシュ・ゴードン』のテーマ曲から始まった時には、なるほどなるほど、と思っていたのだ。

 しかし、実際はプラネタリウムだから宇宙、というようなこだわりは薄く、全体的には半球スクリーンという特性を活かして、クイーンのミュージック・ヴィデオを新たに制作するor再構築するような形になっていた。

 タイトル通り、前半はフレディ・マーキュリー没後に発表された『メイド・イン・ヘヴン』の曲を中心に選曲。後半は往年のミュージック・ヴィデオに新たな映像要素を付加しヴァージョン・アップしてヒット曲の数々をふり返る構成だった。なかでも見応えがあったのは、CGで作りこまれた未来都市を空中カーで飛ぶ設定の「RADIO GAGA」。空間の奥行の臨場感、浮遊感がすごくて、クラクラめまいがしそうだった。

 作中ではメイが案内役として画面に登場する。ただ、大詰めにきて“ボヘミアン・ラプソディ”が新しいサラウンド・ミックス・ヴァージョンで流されることを直前にメンバー本人が紹介するのは、正直な話、興覚めに感じられた。せっかく暗いプラネタリウムのなかなのだから、商品説明的な現実は持ちこまず、ずっと雰囲気に浸らせてくれと思ってしまった。このへんのダサさは、ブライアン・メイロジャー・テイラーが監修したミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』のラストで、ステージ上から最後にあの曲を聴きたいかと問いかけがあってから“ボヘミアン・ラプソディ”を演奏し始める野暮ったさに通じるものがある。気どらないのが、クイーンの大衆性だともいえるけれど……。

 360度視野いっぱいに映像が広がる場所の特性を活かした点では、クイーンのヒット曲の場面よりも、むしろ『メイド・イン・ヘヴン』終盤の隠しトラックを用いたパートがよかった。“Untitled”とされたその長尺トラックは、歌のないアンビエント・ミュージック(”It’s A Beautiful Day”にあった要素を拡張したサウンド)が延々と続く。「QUEEN -HEAVEN-」ではそれにあわせて自然の風景、抽象的なヴィジュアルが展開されていく。スタンリー・キューブリック監督のSF映画2001年宇宙の旅』のような、といったら褒めすぎだが、かなりのトリップ感である。場内ではここで眠ってしまった人もけっこういたようだけど、プラネタリウムならではの作品という意味では、このパートが一番面白かった。

 

 

最近の自分の仕事

--芦沢央『カインは言わなかった』書評 → 「モノマスター」11月号

- 道尾秀介『いけない』書評 → 「ハヤカワミステリマガジン」11月号

--「夜明けの紅い音楽箱」(とりあげたのは伊東潤『横浜1963』 → 「ジャーロ」No.69

--大森望が語る、『三体』世界的ヒットの背景と中国SFの発展「中国では『三体』が歴史を動かした」(インタビュー構成) https://realsound.jp/book/2019/09/post-421244.html

--『なめらかな世界と、その敵』『ベーシックインカム』……円堂都司昭がSF&ミステリー注目作を読む https://realsound.jp/book/2019/10/post-424198.html

ジョリッツ×キスエク

9/28 横浜 THE CLUB SENSATION

ジョリッツ / xoxo(Kiss&Hug) EXTREME(キスエク)

 

昨夜はジョリッツ×キスエク。ロックに触れた高校の頃、同時代のニューウェイブを聴きつつ、すでに円熟していたプログレの旧作へ遡った。このへんが私のリスナーとしての根っこ。なのでサエキけんぞうのバンド×プログレ・アイドルの組みあわせに魅かれた。

 

めるたん卒業でかわいいからかっこいいへ重心を移した3人体制のキスエクは、気合いの入ったパフォーマンスを見せてくれた。存在感を増す浅水さんのキャラクター+小嶋さんの髪の色+萌氏の趣味性からすると今後ゴス色を強めるのもいいかも。

 

高校時代の部室ではハルメンズをラジカセで流していたし、泉水敏郎がドラムを叩いたヒカシュー『うわさの人類』や巻上公一『民族の祭典』は愛聴盤だった。なので今、元ハルメンズのサエキ、泉水のいるジョリッツの生演奏を目の当たりにするのは感無量。

 

萌氏の好きなBiSが非常階段とのコラボでカバーした“好き好き大好き”。そのオリジナルを歌っていた戸川純のバックで泉水敏郎はドラムを叩いていた。てなこと踏まえるとジョリッツ×キスエクの対バンにはカルチャーの継承もみてとれて面白かった。

 

ジョリッツ暴発

ジョリッツ暴発

 

 

 

 

xoxo(Kiss&Hug) EXTREME 2nd ワンマンライブ ?UNION? 2019.7.25 渋谷WWW [DVD]
 

 

『子育てとばして介護かよ』『カイゴッチ』

 島影真奈美さんの『子育てとばして介護かよ』購入。
 私の場合、夫婦に子どもがいない状態で母が背骨の圧迫骨折を経て要介護状態になったのだけど、同居して面倒をみるのは無理だとすぐに判断。家で付き添っていたのはごく数日でショートステイ→外科病棟入院→ショートステイのはしご→老人ホーム入居という展開となり、いわば間を置かずに外注に出したわけだ。その意味では、“子育てとばして介護までとばした”ようなものかもしれない。
 ただ、他県に住む義父母が、これからどうなることやら……。前もって心づもりをしなきゃと思って同書をこれから読む。
 
子育てとばして介護かよ (角川書店単行本)

子育てとばして介護かよ (角川書店単行本)

 

 

 ライター/編集者の介護体験記という点では、「Jポップ批評」などで私も世話になった藤野ともねさん(今は「モノマスター」書評の編集担当)が以前に「カイゴッチ」を出していた。DEVOやドアーズなどロックを引きあいに出して介護を語るという、なかなかファンキーな本だ。

 

カイゴッチ 38の心得 燃え尽きない介護生活のために

カイゴッチ 38の心得 燃え尽きない介護生活のために

 

 

芦沢央『カインは言わなかった』

 ダンス・カンパニーが題材の芦沢央『カインは言わなかった』。妻を津波で亡くした芸術監督が「オルフェウス」を題材に舞台を演出したり、被災地とかかわりのある人物が他にも登場するなど、震災後文学の要素を含んでいる。“そこが主眼ではないが”ということもテーマの一部になっていることが興味深い。

 同作に関しては、間もなく発売の某誌に書評を寄せた。

 

カインは言わなかった

カインは言わなかった

 

 

 

 

最近の自分の活動

-7月31日のトーク・イベントの記事がアップされた。 → 円堂都司昭×楠芽瑠×一色萌×高木大地×成松哲のプログレ強化講座レポート、あるいは、キスエクという現象 https://spice.eplus.jp/articles/254165

-9月10日のゲンロンカフェのイベント。タイムシフト視聴は9月17日まで。 → 円堂都司昭 × 速水健朗 「悪夢の現実と対峙する想像力─円堂都司昭ディストピア・フィクション論』刊行記念」 https://live2.nicovideo.jp/watch/lv321473604

Vera Lynn"We'll Meet Again また会いましょう”

時事通信 「バイバイ英国」盛大にパーティー=オランダ小村、予約1万人超

https://www.afpbb.com/articles/-/3242389

[英国が欧州連合EU)から離脱する予定の10月31日]

[EU加盟国の名産を飲食しながら、砂浜で対岸の英国に向かって手を振る予定。第2次大戦中にヒットした英歌手ベラ・リンの名曲「また会いましょう」などをバンドが演奏する]

 

 Pink Floyd『The Wall』の“Vera”はこのVera Lynnを題材にしており、その詞には「We would meet again」という”We’ll Meet Again また会いましょう”に対応したフレーズも織りこんでいた。

 同アルバム全体を演奏したライヴ『Is There Anybody Out There? The Wall Live 1980–81』では冒頭にVeraの歌がほんの少し流れる。

 

 また、”We’ll Meet Again“はキューブリック監督『博士の異常な愛情』最後の核爆発シーンに流れたことでも有名。

 

 

最近の自分の仕事

-劉慈欣『三体』、澤村伊智『ファミリーランド』の紹介 → 「小説宝石」9月号 https://www.bookbang.jp/review/article/581761

-成毛眞『人生も仕事も変わる!最高の遊び方』の紹介 → 「モノマスター」10月号

-産経新聞9月2日「不気味なディストピア作品に脚光…現実社会に近づく?」https://www.sankei.com/life/news/190902/lif1909020016-n1.html でコメント ← 電話取材で30分以上話しても、わずかしか使われないとわかってはいた。だが、それにしても発言の雑な切りとられかたにがっかり。ポリティカル・コレクトネスについてはそんな単純な話ではないし、それについては下記のゲンロン・カフェのイベントでと思っている。

 

9月10日(火)

円堂都司昭×速水健朗「悪夢の現実と対峙する想像力ーー円堂都司昭ディストピア・フィクション論』刊行記念」

詳細はこちら↓

https://peatix.com/event/1059025

 

SUMMER SONIC 2019

8月16日に観たもの

THE STRUTS~BiSH(後半)~アキラ100%Little Glee Monster~PALE WAVES~BANANARAMA(後半)~The Birthday~BJORN AGAIN~TWO DOOR CINEMA CLUB

 

 この日はROBERT GLASPERで締めようと思っていたが、強風の影響でBEACH STAGEが全面中止になったので調子が狂ってしまった。

 

 以下、簡単なメモ

・ほぼ横に近い位置から見たアキラ100%の面白さ。

・思っていたより中低音の声にハリがあるのがいいなと思ったLittle Glee Monster

The Birthdayではチバユウスケのカッコよさに鳥肌。髪や髭に白いものが混じってもあのささくれた声は変わらなかった。

・BJORN AGAINはABBAをただコピーするだけでなく、“Gimme Gimme Gimme”の途中に同曲をサンプリングしたMadonna”Hung Up”を挿入したり、”S.O.S.”に「I'll send an SOS to the world」のフレーズがあるThe Police”Message In A Bottle”をつなげたり。さらにベニー役がBon Jovi”Living On A Prayer”を熱唱したのには驚いた。ABBA目当てで集まったはずの観客も大合唱。芸達者である。