ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

サンボマスター〜「野性時代」/「SFマガジン」

青少年相手に心理カウンセラーをやっている知人がサンボマスターのファンであることを、最近になって知った。驚いた。 だって、サンボマスターといったら、とにかく語りかけてくるわけですよ。言葉の決壊、声の洪水って調子で、山口隆が闇雲にどんどん迫って…

『巨匠とマルガリータ』と『NANA』

最近書いたもの 「『巨匠とマルガリータ』と〈悪魔を憐れむ歌〉」、「『NANA』とセックス・ピストルズ」 → いずれも「ロックジェット Vol.20」(シンコーミュージック発行。6月2日発売ISBN:4401619404) 前者は、ロシアの小説とそれに影響されて詞が書か…

城山隆『僕らの「ヤング・ミュージック・ショー」』

1971〜86年にNHKで放映された伝説の洋楽番組「ヤング・ミュージック・ショー」について書かれた本。記載された放映リストと自分の記憶を照らし合わせると、僕がこの番組で最初に見たのは、77年のベイ・シティ・ローラーズのスタジオ・(擬似)ライヴだったよ…

尊敬のまなざし

最近、尊敬するようになったのは、ボビーオロゴンと松平健である。2人それぞれ、TV番組で料理しているけれど(『いきなり!黄金伝説』『バニラ気分!』)、包丁の使い方が僕なんかよりずっと上手い。つい、あこがれてしまう。 http://www.fujitv.co.jp/fujit…

クイーンとT・レックス

もうじきミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』の日本公演が始まるのを後押しして、ドラマ『anego』で〈ウィ・ウィル・ロック・ユー〉をオープニング・テーマに使っている日本テレビが、深夜にクイーン番組を放送している。今夜も放映される。 ク…

「AERA」臨時増刊「GO!GO!コンビニライフ」(そしてバーコード)

おにぎり、デザート、チルド飲料、弁当など、コンビニ定番商品の各チェーン注目商品を紹介する一方、各社トップへのインタビューも掲載。また、タレントにコンビニと自分のかかわりを語らせたり、ルポを載せるなどして、おふくろ代わり、酒屋、屋台、工場、…

藤岡真『ギブソン』

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早朝6時にゴルフの待ち合わせをしたのに失踪してしまった上司の行方を、部下が探す話。 でも、僕には、接待ゴルフをやるようなサラリーマンの上司を敬愛する習慣がない(ものすごい偏見)。なので、子どもでも妻でも親でも恋人でもない上司を、なぜこうまで…

「美術手帖」6月号、あるいは西島大介

「美術手帖」最新号ISBN:B0009J4UDU、西島大介インタヴュー、舞城王太郎特別展覧会(イラスト集)、斎藤環の評論があって、なにやら「ファウスト」っぽい名前の並びである。それも当然だろう。「ファウスト」(こっちの最新号ISBN:4061795724ック掲載)が“闘…

ロジャー・ウォーターズと大江健三郎

ピンク・フロイド分裂後の、ロジャー・ウォーターズのソロおよびデイヴ・ギルモア主導フロイドの作品が、紙ジャケで再発される。 ウォーターズの作品では、ジェフ・ベックがゲスト参加した《死滅遊戯 AMUSED TO DEATH》が、コンセプト・アルバムとしての構成…

お稲荷さんとダビデの星

ここ3日間、近くのお稲荷さんの大祭だった。やぐらが組まれ、演芸会みたいな催しがあったようだ。もちろん、屋台が出ていた。万国旗も飾られていた。イスラエルの国旗を見つけた。もし、同国のユダヤ教徒が、異国のお稲荷信仰の場に自分たちの国旗が引き出さ…

廣野由美子『批評理論入門 「フランケンシュタイン」解剖講義』

副題にあるように、メアリ・シェリーのあの有名な(でも実際に読んだ人はそう多くない)ホラー小説を読むことを通して、文学批評理論のあれこれを解説した入門書である。 第1部の「小説技法編」では『フランケンシュタイン』ISBN:4488532012つ、ロシア・フォ…

本格ミステリ大賞

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本日、開票式が行われ、 小説部門 法月綸太郎『生首に聞いてみろ』ISBN:4048734741 評論・研究部門 天城一著・日下三蔵編『天城一の密室犯罪学教程』 が受賞した。 10日夜の献立 にじますのムニエル(ソテーしたあとのフライパンの残り汁につぶマスタードを…

「タイムスリップ昭和展」

新宿へ資料探しに出かけたついでに、高島屋で催されていた「タイムスリップ昭和展 EXPO’70とその時代」を覗く。 そこに展示されたグッズ、レプリカ、映像を見て、今頃気づいたのは、70年の大阪万博で岡本太郎の手がけた「太陽の塔」とウルトラマン(66年放映…

場つなぎに格言

おうちに帰って「ただいま」というまでは、遠足は終っていません。 会社に行って「おはようございます」というまでは、ゴールデンウィークは終っていません。 すいません、自分の原稿も終っていません……。 うちの近くを自転車で走っていて、「浦安鉄筋工業」…

朱川湊人「妖精生物」(と坂田明『クラゲの正体』)

ちょっと前、昨年に雑誌掲載されたミステリ系短編をアトランダムに90作くらい読む機会があった。そのなかに、朱川湊人の作品が複数混じっていた。朱川に関しては、昨年発表した短編の数においてトップ・クラス(20作を超える)であるだけでなく、クオリティ…