おにぎり、デザート、チルド飲料、弁当など、コンビニ定番商品の各チェーン注目商品を紹介する一方、各社トップへのインタビューも掲載。また、タレントにコンビニと自分のかかわりを語らせたり、ルポを載せるなどして、おふくろ代わり、酒屋、屋台、工場、台所、情報端末、ライフライン……といったコンビニの多面性を浮かび上がらせようとしている。消費者向け商品ガイドであると同時に、ビジネス書の線も狙った、欲張りな内容なのである。これで420円は安い。
安いとは思うけど、ごめんね、僕にはいまひとつでした。
結局、コンビニ各社の広告が入りまくることで成立した冊子なので、記事と記事広告の見分けがつきにくい部分すらある。広告主を批判する内容が載るはずもなく、世間からのありがちな批判(コンビニの食品は混ぜ物が多い、ゴミを増やしてる)に触れてはいても、コンビニ側の反論に沿って記事はまとめられている。だから、企業パンフレットを読まされているような、予定調和の味気なさを感じてしまう。
でも、かといって、反商業主義を気取って、コンビニやファストフードを攻撃することで気持ちよさそうに溜飲下げてる“運動”系のかたがたの言説を読みたいのでもない。彼ら/彼女らは、これらの商業形態を都市伝説的に“怪物”視しすぎていて、どうもなじめない。
コンビニが、面白く、かつ問題な場であるのはわかりきってるんだから、あの場の多面性に見合った複眼で編集して欲しいのだ。僕は、企業PR的でなく、ヒステリックな“運動”系でもない、コンビニのムックが読みたい。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20050315)
この「AERA」増刊を読んで思ったが、「タイムスリップ昭和展」(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20050509)やナムコのナンジャタウンみたいな“懐かしい昭和”って、基本的にコンビニ登場以前の時代を指す感じがする(セブン-イレブン第1号店は、1974年=昭和49年に江東区豊洲でオープン)。
ちなみに、雑誌や書籍にバーコードが印刷されるようになったのは、扱いの簡便性を追及するセブン-イレブンから、出版界に表示要請があったのが始まりと伝えられる。そして、セブン-イレブンを設立した鈴木敏文は、もとは出版取次大手トーハン(東京出版販売)からイトーヨーカ堂に転職した人だった。このことを知ると、ちょっと因縁めいた印象になる。
かつては商品パッケージのデザイナーにとって邪魔者だったバーコードも、今ではデザインの対象になっている。下の本は、いろいろ遊んだデザインバーコードを掲載している。めくっているだけでも楽しいです。
どうでもいいが、「バーコード」と聞いて、人の頭髪を見つめるのはやめなさい。