ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

僕もいろいろ聞いてきた

最近自分が書いたもの ジェネシス、ユーライア・ヒープ、ティアーズ・フォー・フィアーズ、フェイス・ノー・モア、エイフェックス・ツイン、クラクソンズなど計15作の紹介 → 『rockin’on BEST 500 DISC 1963-2007』asin:4860520726

続「ミステリ・ジョッキー」。そして「文化系トークラジオLife」――(“DJ的”雑考 4)

(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 6)(“評論”レヴュー/“レヴュー”評論 3) 『その音楽の〈作者〉とは誰か』『聴衆をつくる』 音楽学者・増田聡の原稿に関する考察から始まった「“DJ的”雑考」が、なぜミステリ界の評論家批判や「ミステリ…

昨日の続き(「本格論争」、『本格ミステリ・ベスト10』)

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(“評論”レヴュー/“レヴュー”評論 2) 昨年末刊行の『2008本格ミステリ・ベスト10』および『活字倶楽部』2008冬号の有栖川有栖インタヴュー、今年になってからの笠井潔、千野帽子の批判など、その後も「本格論争」の余波はうかがえる。 評論は、…

「綾辻・有栖川のミステリ・ジョッキー」――(“DJ的”雑考 3)

M

(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 5)(“評論”レヴュー/“レヴュー”評論 1) (小説系雑誌つまみ食い 30――リニューアル後の「メフィスト」、「活字倶楽部」2008冬号) メフィスト 2007年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/0…

鈴木謙介「同期するメッセージ、空虚への呼びかけ」――(“DJ的”雑考 2)

YC

(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 4) 「InterCommunication」64号の音楽/メディア特集で、増田聡はこうも書いている。 DJ的な「作曲の時代」の支援ツールだったはずのものが、キャラクター志向的な想像力へと吸引さ…

増田聡「『作曲の時代』と初音ミク」――(“DJ的”雑考 1)

(「ローレゾリューション論(仮)」のための覚書 3) Inter Communication (インターコミュニケーション) 2008年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: エヌ・ティ・ティ出版発売日: 2008/02/27メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (20件…

きつかわゆきお『ドラマで泣いて、人生充実するのか、おまえ。』

ドラマで泣いて、人生充実するのか、おまえ。作者: きつかわゆきお,村田篤司出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2008/03/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 30人 クリック: 508回この商品を含むブログ (30件) を見る 自分は、橘川幸夫が(特に1980…

勇気がない

例えば、本屋で若い女性がレジを打っている時、これらを同時に買う勇気が、私にはありません。 最近自分が書いたもの 「Xはなぜ笑えるのか? 無限の可能性を持つ、ゼロ年代のX JAPANパロディ」(POLYSICS、筋肉少女帯、YOSHIKI人形、…

さらに『クリアネス』、辻仁成

(『ピアニシモ』『ピアニシモ・ピアニシモ』の趣向に触れています) 『ピアニシモ』 『クリアネス』の(特に映画版で強調されていた)「レオ−透明人間」という分身関係に近い図式は、辻仁成のデビュー作『ピアニシモ』(90年)にも見出せる。 いじめが待…

再び『クリアネス』、村上龍、Yoshi

http://d.hatena.ne.jp/ending/20080305#p1のつづき 『クリアネス』と酒鬼薔薇聖斗 自らを「透明な存在であるボク」と形容した酒鬼薔薇聖斗(当時14歳)が97年に起こした殺人事件から10年後。2007年に刊行された十和『クリアネス』には「限りなく…

山下洋輔、キース・エマーソン、「柔道一直線」

山下洋輔が、炎上するピアノを弾いたことが話題になっている。 asahi.com http://www.asahi.com/culture/update/0308/OSK200803080089.html?ref=rss これは、山下が1973年にやったパフォーマンスの再演だという。 73年の前年、1972年には…

「エクス・ポ」の文字の大きさ

YC

http://expoexpo.exblog.jp/7362466/ 「濃縮新雑誌」と銘打って創刊された「エクス・ポ」は、本当にみっしり文字が詰め込まれている。確かに、誌面に濃縮感はあるのだが、やはりあまりにも文字が小さすぎやしないか。 「エクス・ポ」の編集発行人である佐々…

GARY NUMAN & THE TUBEWAY ARMY《REPLICAS REDUX》

Replicas: 2008 Tour Editionアーティスト: Gary Numan出版社/メーカー: Beggars Banquet発売日: 2008/03/10メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見る 70年代末にUKのエレ・ポップのヒーローとなったゲイリー・ニューマンの出世作《幻想アンドロイ…

香山リカ『ポケットは80年代がいっぱい』

YC

ポケットは80年代がいっぱい作者: 香山リカ出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2008/02/28メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 105回この商品を含むブログ (39件) を見る 83年に解散(散開)したYMOが90年代に再結成(再生)した際、〈ポケットが虹で…

サラ・ブライトマン《神々のシンフォニー》

HMVで輸入盤を試聴しただけだったので、つい最近まで気づかなかったけど、日本盤のボーナス・トラックは〈禁じられた色彩〉のカヴァーなんだね。坂本龍一〈戦場のメリークリスマス〉に、ジャパンのデヴィッド・シルヴィアンがあのインストルメンタルから…

愉しいコンビニ・ライフ!

「HB」vol.3の「特集◎愉しいチェーン店ライフ!」には、見出し通りの愉しさを綴った原稿が並んでいる。 http://d.hatena.ne.jp/hbd/ それを読みながら、想像したこと。 我が家は、近所づきあいを一切していない。しかし、家から2分ほどのコンビニに…

さらに、自分探し、『犬神家の一族』、『さよなら妖精』

YC M

市川崑監督『犬神家の一族』 市川崑監督が亡くなったのに伴い、先月、映画『犬神家の一族』がテレビで放映された。 この物語においては、太平洋戦争において自分のミスが原因で部隊を全滅させてしまったという自責の念を持つ者が、大量殺人事件にかかわるこ…

自分探し、逃走、蒸発

速水健朗『自分探しが止まらない』 ミステリには、真相探しと自分探しの相乗効果を狙った作品がある。事件に巻き込まれた記憶喪失の人間がいて、彼が真相を発見すると同時に、本当の自分も知ることになる――というストーリーに典型的であるような。だから、ミ…

米光一成「大人にゃ見えない、ケータイ小説という少女たちの秘密基地」

「週刊ビジスタニュース」最新号に、上記の文章があった。米光の考察には、納得させられるところが多い。 http://www.sbcr.jp/bisista/mail/art.asp?newsid=3301 まず彼は、『Deep Love』、『恋空〜切ナイ恋物語 〜』などのケータイ小説の内容が、60…

映画&小説『クリアネス』

(映画版の趣向に触れています) クリアネス―限りなく透明な恋の物語作者: 十和出版社/メーカー: スターツ出版発売日: 2007/02/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (15件) を見る 第1回日本ケータイ小説大賞を受賞した十和『クリアネス …

映画『東京少女』

YC

現代の高校生・未歩(夏帆)の落としたケータイ電話が、なぜか明治時代の時次郎(佐野和真)の手にわたる。作家志望という共通点を持つ若い2人は、戸惑いギクシャクしながらも、会話するようになっていく。そして、ケータイで話しながら銀座界隈で時を超え…