ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

桜庭一樹『少女には向かない職業』

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帯にある通り、中2女子13歳大西葵が人を殺す話。 葵の母親は、娘にこんなことを言ってしまう人である。 葵、ママだって人間なのよ。まだ若いし、やりたいこともある。葵がいなかったら、こんな島に残らずにまた東京に戻ってたと思うのよ。 母親は高卒で東…

ベビースター

近所のコンビにて、「ベビースターラーメン バーガー」なる商品があることに気づく。「ベビースター」は好きだけど、これはなぁ……。 袋にハンバーガーの写真があるってことは、ハンバーガー味を目標に開発したわけでしょ。でも、なぜ、ハンバーグ味じゃない…

クイーン+ポール・ロジャース《リターン・オブ・ザ・チャンピオンズ》

来日前にリリースされたライヴ盤を聞く。クイーンはメンバー4人全員が曲を書いたわけだけれど、フレディ・マーキュリー作のナンバーを減らした分、ポール・ロジャースの持ち歌を入れている。つまり、ピアノの目立つ曲が減ったかわりに、ハード・ロックが増…

『女王の教室』最終回

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昨夜は『女王の教室』の最終回だった。 で、修道女みたいな、黒ずくめ完全防備のヒロインの衣裳を見ていて、あらためて思った。教師が児童相手に圧倒的な上下関係を作り上げ、これほどこの世の不公平さやどうにもならなさを突きつけ、一人一人を理不尽なまで…

西尾維新『ニンギョウがニンギョウ』

結末に触れているので、読む前にご承知を…… 「ファウスト」ではなく「メフィスト」に掲載された短編を集めた本だが、いっそのこと「群像」に載せればよかったのに、と思うような文学っぽさがある。「ファンタジー小説」って名称でライトノベルを並べる本屋が…

ミステリと再読

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「本格ミステリ・マスターズ」から出た奥泉光『モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活』、読了。ある童話作家の遺稿をめぐる、けったいな話だった。「駄洒落大辞典」の編纂に注力したという春狂亭猫介、僕は好きである。 太宰治(小説家) 「…

『女王の教室』の天海祐希/ついでに摩邪

昨夜、久しぶりに『女王の教室』を見て、ふと思った。このドラマで鬼教師役の天海祐希は、“私は決して動じません”って空気を出すために、低く硬い声でゆっくり話す。この声色って、彼女が宝塚の男役だった頃に近い。『風と共に去りぬ』のレット・バトラー役…

この夏、ディープ・パープルの思い出

最近書いたもの サマーソニック2005のレポートの一部 → 「BUZZ」サマー・ロック・フェス特集号 それにしても、2005年にもなってディープ・パープルのステージを拝むことになろうとは思わなんだ。僕が前回パープルを見たのは、ジョー・リン・ターナー在籍…

菊地成孔とオレンジレンジ

『CDは株券ではない』 『CDは株券ではない』ISBN:4835615638、Jポップシングルのレヴュー集としては、面白かった。ただし、語り口はべつに新しくない。 著者の菊地は前書きで、 我が国の「流行歌〜歌謡曲」を俎上に乗せ、それを「評論」する。と称して…

『DEATH NOTE』8巻

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一人の高校生が「死のノート」を手に入れたことによって、全世界の人々に死を与えうる力を持つようになる。そんな“一対全”の図式でスタートしたこのマンガも、初期設定の応用に次ぐ応用を重ねた結果、物語はどんどん“多対多”の形へインフレ化してきたのだっ…

ほしおさなえ『天の前庭』

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大下さなえ名義の「くらげ」という詩を、誰かの引用で読んだのが、著者の作品に触れた最初だった。彼女のいくつかの詩は、ここで読める。 http://homepage1.nifty.com/kyupi/ 彼女の詩は、つかみどころのないイメージを、つかみどころのないまま手応えのある…

トリビュート盤《KILLER QUEEN》

クイーン+ポール・ロジャースのライヴ盤が間もなくリリースされ、来日も控えている。それに先駆けて、メンバー公認らしきトリビュート盤《KILLER QUEEN》(現在輸入のみ)が発売された。 オリジナル・アレンジにないアコギを入れたり、R&B的な…