ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

『コンクリート・ユートピア』

『コンクリートユートピア』、昨日観てきた。周辺が壊滅的被害を受けたなか(作中では原因不明)、唯一残ったアパートの住民が周辺地域からの避難民を追い出し、居場所を死守しようとするパニックもの。

 すごい。ただ、能登半島地震の報道が続いている今すぐは、「面白いよ」と他人にいいにくい要素も含んでいる。そこらへん、口コミ面ではマイナスになっているかもしれない。

 

 東日本大震災当時、新浦安の液状化でマンションの購入組と賃貸組、被災直後の後片づけに参加した人とどこかに逃げていた人の摩擦が起きたことは伝え聞いていた。なので、映画のなかの住民間対立はリアルに感じた。

 

 ただ、上記のように自分は地震のイメージで見ていたのだけど、物語の途中で住民自治が暴走し始め、内部で糾弾された人々が反省の言葉を繰り返しいわされる場面を見ると「北朝鮮みたいになっちゃった」と思うわけだ。そこで、これは朝鮮半島で戦争が起こったらという想像も含んだ内容だと気づいた。

 

 そもそも、アパート住民が防犯部隊の必要性を認め、兵役経験者で結成する展開からして、日本と事情が異なる。大災害のたびにすぐ、自衛隊はまだか、と思うこの国とは、やはり違うと印象的だった。

 

Concrete Utopia

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