ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

2004-01-01から1年間の記事一覧

「大人の科学」、イーノ、ボウイ、ヤードバーズ

雪が降っているので、出かける時間をズラそうと思う。浮いた時間でタラタラ書く。 「大人の科学マガジン Vol.6」 買うかどうか迷っていた「大人の科学マガジン Vol.6」を結局購入。蓄音機特集で、レコード盤録再蓄音機とお楽しみソノシートがついている。細…

HUMAN AUDIO SPONGEライヴ、YMOボックス

昨夜、NHK BS1でHUMAN AUDIO SPONGE(SKETCH SHOW+坂本龍一)のライヴ映像を流していた(インタヴュー、リハーサル風景含む)。10月のイベントでの収録である。 (放映曲)KOKURITSU / ATTENTION TOKYO / SKOTOMA / WAR AND PEACE / FLY ME TO THE RIVER / …

ティルマンス展、仲俣暁生『極西文学論』

上記『カンヴァスに立つ建築』展を、たまたま見る成り行きになったのは、ヴォルフガング・ティルマンス展に出かけたら、チケットの内容が抱き合わせだったからだ(これは恨み言ではない。空想建築の数々も楽しめました)。 仲俣暁生(id:solar)『極西文学論…

野又穫『カンヴァスに立つ建築』

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これまた昨日の話。ピストルズ展に行くすぐ前には、東京オペラシティアートギャラリーに行っていて、野又穫『カンヴァスに立つ建築』展をたまたま見たのだった。空想建築を絵画にした作品が並んでおり、骨組が透けていたり非対称だったり、てっぺんに大きな…

セックス・ピストルズ写真展

昨日、ラフォーレ原宿で、デニス・モリス写真展『デストロイ――セックス・ピストルズの真実』を見た。今はああなってしまったジョン・ライドンも、ろくでもない死に方をしたシド・ヴィシャスも、やっぱりバンド全盛期(と呼べるほど安定した期間などなく、輝…

山田正紀著『イノセンス』

今年を回顧する特集において、押井守監督『イノセンス』は、期待はずれだった作品の代表格みたいに扱われている。日本SF大賞を受賞した同作は、中華シーンや球体関節人形の動作、店内でのアクションなどに代表される映像美には感激したが、ストーリーはいま…

朗読劇『電車男』、『イニシエーション・ラブ』

思いついたまま、連想を並べることにする。 『電車男』に声優女 『電車男』が、朗読劇になるそうだ。あの話は2ちゃんねるでのやりとりで進むという、シチュエーションの面白さなわけだから、キャラの実体を写さなければならないテレビ化や映画化では、大幅に…

ポール・ロジャース&クイーン残党

クイーンの残党であるブライアン・メイとロジャー・テイラーが、元フリー/元バッド・カンパニーのポール・ロジャースと「クイーン」を名乗ってツアーするのだという(ジョン・ディーコンの動静は不明)。このニュースに、クイーン・ファンもフリー・ファン…

ゲイリー・ニューマンの紙ジャケ再発

シンセ・ポップの開拓者の一人、ゲイリー・ニューマンの初期作品が、バンド時代も含め紙ジャケで再発された。 《TUBEWAY ARMY》ASIN:B0006BA0XK 《THE PLEASURE PRINCIPLE》ASIN:B0006BA0XU 《TELEKON》ASIN:B0006BA0Y4 《I,ASSASSIN》ASIN:B0006BA0YE ――の4…

本のある風景

昨日のアップリンク・ギャラリーにて。 前に座った若い男が、舞城王太郎『煙か土か食い物』を読んでいた。買ったばかりらしいノベルス本で。あれ、君、それが文庫化されたばかりなのを知らなかったの? 残念だねぇ、などと内心思う。 すぐ後ろに座った大学生…

K.K.「ワラッテイイトモ、」と村上春樹『アフターダーク』

遅ればせながら、早稲田のアップリンク・ギャラリーにて、K.K.の「ワラッテイイトモ、」を見てきた。これはキリンアートアワード2003の審査員特別優秀賞を授与されたヴィデオ作品である。芸術性云々よりも、TV番組「笑っていいとも!」の画像を大量に取り込…

舞城原作・戯曲版『バット男』

本屋の文庫コーナー平積みで、「ん、草間彌生?」と思う表紙を見つけた。黄色の点々を浮かべた緑色が下部を縁どっている。そして白の斑点を散らした赤色が紙面の大部分を覆う。完全に草間の「水玉強迫」パターンである。 でも、違った。舞城王太郎を特集した…

ラノベ関連本

『このライトノベルがすごい! 2005』 ISBN:4796643885 『このミステリーがすごい!』編集部・編のはずなのに、記事構成にあちらほど起伏がない。『ラノベ完全読本』みたいなインタビューや座談会がないので、データばかり羅列される印象が強い。特に1ページ…

ジョー・ストラマー展

一昨日、渋谷パルコで「ジョー・ストラマー★過去、現在そして未来」展を見た。飾られていたジョー自筆の歌詞に驚いた。英語ができない普通の日本人にも読める、実にきれいなアルファベットを書いていたのである。2枚組の《ロンドン・コーリングASIN:B0002ZEZ…

草間彌生展

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(「水玉強迫」。下の黄色ヴァージョンが今回展示されていた) 自分の同居人は、極端な“斑点”嫌いである。幼い頃、皮膚にブツブツができて膿が出て苦しんだことが、トラウマになっているらしい。彼女は、小さい丸や球が密集している様子に接すると、不快さの…

宝塚とポップ・アート

一昨日、そごう横浜で『夢みるタカラヅカ展〜宝塚歌劇に魅了された芸術家、そして時代〜』を鑑賞したあと、Bunkamuraザ・ミュージアムで『ベラルド・コレクション 流行するポップ・アート』展を見た。どういうはしごなんだ? 馬鹿者である。なんだか、疲れて…

『ファウスト Vol.4』

11月15日付けの文学フリマの雑記と同様、読み終わったものに関し、気が向いたらその都度感想メモを追記するかもしれない。ほかの本と並行して読んでるので、なかなかこの厚さを終えられない。自分、読むの遅いし……。 第一特集 文芸合宿! Live at 『ファウス…

《ザ・コレクターズ・キング・クリムゾン Vol.8》

クリムゾン関連では《真・紅伝説》ASIN:B000666UNO、当家財政上の限界もあるし、もとの《紅伝説》は所有しているので、発掘ライヴBOXのみをとりあえず先に購入。 以下、《ザ・コレクターズ・キング・クリムゾン Vol.8》ASIN:B000666UNEた3枚の音源に関するコ…

フランツ・フェルディナンド live

24日にリキッドルーム恵比寿で観たフランツ・フェルディナンドのライヴは、上り調子の新人バンドならではの楽しさがあってよかった。多少演奏があらくなっても、成長期ならではの勢いがたいていのことをOKにしてしまう。バンドのこういう幸福な時期を目撃で…

ケン・ヒル版『オペラ座の怪人』

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昨日、東京厚生年金会館にてケン・ヒル版『オペラ座の怪人』を観劇した。ガストン・ルルー原作によるこの話のミュージカル化では、アンドリュー・ロイド=ウェバー版(劇団四季のヴァージョン)のほうが有名だが、初演はケン・ヒル版のほうが先。おおまかに…

無題

僕は今、いっぱいいっぱいです。なのに、憎らしいことに、確定申告関連の書類が送られてきたんです。そんな風に「税金とってやるぞ」って態度をとられると、現在進めつつある仕事の原稿料くらいはどうせ所得税で持っていかれちゃうんだよなぁと思われて、恐…

文学フリマ

昨日、第3回文学フリマに行った。第1回の時は、西尾維新、佐藤友哉、舞城王太郎、太田克史参加の同人誌『タンデムローターの方法論』を購入し、並んでユヤタンのサインをもらうなんてこともしたけれど、第2回は行かなかった。で、第3回は、青山ブックセンタ…

『ディズニーランド・ストーリー』

昨日、WOWOWで『ディズニーランド・ストーリー』と題されたモノクロ映像を見た。これは本家ディズニーランドがちょうど建設中だった1954年に撮られたもので、故ウォルト・ディズニー自身があのテーマパークの構想を語ると同時に、それとタイアップしたTV番組…

クイーン1982『オン・ファイアー』

前作《ザ・ゲーム》の大ヒットに気をよくして、一気にファンク/エレクトロニック路線に突っ走ったら、あまりにそれまでのクイーンのイメージとは違ったため商業的に失敗してしまった《ホット・スペース》。その時のツアーから、英国ミルトン・キーンズ・ボ…

お会式

久しぶりの地元ネタ。 先週から続いていた締切の絨毯爆撃が一段落したので、今夜はお会式(おえしき)を見物に出かけた。お会式というのは日蓮宗の法会のことで、路地裏だと道幅いっぱいになるくらいの大きさの万燈を引いて、町中を練り歩くのである(ちなみ…

鍵のかかった部屋、イーグルス

今日、鍵をなくして部屋に入れないまま、4時間も町をさまよった。図書館に行ったり本屋で立ち読みしたり。よっぽど出窓を石で破壊して、自室に侵入しようかと思った。 ようやく別の鍵の手配がついて家に帰り、失われた4時間にやるはずだった仕事を今やってい…

『ブラック・ジャック』と真矢みき

現在放映中のTVアニメ版『ブラック・ジャック』を、今日たまたま目にした。わけあって、子どもがブラック・ジャックのふりをするというエピソード。そのチビで丸顔の偽者ブラック・ジャックを見て思い出した。僕は、宝塚版『ブラック・ジャック』を過去に見…

島田荘司『龍臥亭幻想 上・下』

M art

読了。雪中に鎧武者が暴れ回る和風幻想と、旧日本軍の肉体縫合研究を組み合わせた島田荘司らしい道具立て、ではある。 そして、口絵およびカバー(というか帯というか)を飾った横尾忠則の絵に、ちょっとびっくりした。上・下巻両方に横尾のシリーズ作品が使…

高原英理『ゴシックハート』

ゴスロリやら球体関節人形やら、暗黒っぽいものの小ブームはあるのだから、こんなゴシック・カルチャー周遊本が登場するのも当然だろう。人外、残酷、身体、猟奇、異形、両性具有、人形、廃墟と終末など、各章ごとにテーマが設定され、作者の好みに応じてい…

歌野晶午『魔王城殺人事件』

M

不可能犯罪が起きて名推理による謎解きで終わる、いかにも本格ミステリらしい本格ミステリを、歌野はあまり書かない。たとえ書いたとしても、パロディ的な形にひねりがちだ。ところが、この作品は講談社の<ミステリーランド>という一種のジュヴナイル企画…