ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

2024-01-01から1年間の記事一覧

坂本龍一と和賀英良

「坂本龍一のピアノ展」で本人の演奏を再現したピアノ自動演奏を聴き、松本清張『砂の器』の和賀英良を連想した。原作小説では電子音を使った抽象的な現代音楽の作曲家なのに、映像化ではロマンティックなピアノ協奏曲の人に脚色された。むしろ、それゆえに…

渡邉大輔『謎解きはどこにある』

謎解きはどこにある――現代日本ミステリの思想 作者:渡邉大輔 南雲堂 Amazon 栗本薫『ぼくらの時代』と対であるかのように中島梓が刊行した文芸評論集『文学の輪郭』を読んだことが、ミステリ評論に関する私の出発点の一つとなっている。群像新人賞評論部門を…

中上健次と三田誠広

昔読んだ中上健次のある発言が強烈に記憶に残っていて、最近になって今さら気になりだした。時期的にみて『中上健次1970-1978全発言I』、『中上健次1978-1980全発言II』だろうと思ってめくってみたが見当たらない。じゃあ、これかと、柄谷行人との対談『小林…

『コンクリート・ユートピア』

『コンクリート・ユートピア』、昨日観てきた。周辺が壊滅的被害を受けたなか(作中では原因不明)、唯一残ったアパートの住民が周辺地域からの避難民を追い出し、居場所を死守しようとするパニックもの。 すごい。ただ、能登半島地震の報道が続いている今す…

「良い子悪い子普通の子」

今回の松本人志の件で、ダウンタウンがいじめの芸を一般化したとか、その前にとんねるずがとかいう人がいる。でも、太郎冠者や与太郎など、間抜けな人間を笑うパターンは旧くからあるわけで、昔から笑いの多くを揶揄、嘲りなどいじめ的な要素が占めてきたの…

原始神母”原子心母”

喪中なので新年の挨拶はしません。 で、昨年末のふり返り。 昨年12月30日は、ピンク・フロイドのトリビュート・バンド、原始神母の募集した合唱隊に参加して“原子心母”を歌ってきた。同じ月にカール・パーマーが演奏したステージに自分も上ったのだった。 妻…