ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

八犬伝講談

八犬伝薫風講談会 宝井馬琴の講談本『里見八犬伝』の古書を探していたものの見つからず、「八犬伝」、「講談」で検索するうちに現在やられている講談がヒットした。それで昨年6月、浦安から館山へ行き、南房総三龍亭のこの八犬伝講談会を見たのだった。 その…

「幻想夢現八犬伝」

※備忘録を兼ねて結末までネタバレ全開で書いています。

『ドラマチック・リーディング 新宿八犬伝 第一巻 犬の誕生』

22日昼、space早稲田で『ドラマチック・リーディング 新宿八犬伝 第一巻 犬の誕生』を観てきた。 作・川村毅 演出・小林七緒(流山児★事務所) 音楽・諏訪創 https://stage.corich.jp/stage/394529 「ドラマチック・リーディング」と銘打たれていたから、朗…

中沢けい『海を感じる時』について再び

聞く連続読書会「昭和50年代文芸を読む」】2025/11/21(金)双子のライオン堂 19:30~ 第4回・中沢けい『海を感じる時』(スピーカー:円堂都司昭&仲俣暁生) 映画版しか知らない人も歓迎です。 http://peatix.com/event/4643676 海を感じる時 [Blu-ray] …

中沢けい『海を感じる時』

【聞く連続読書会「昭和50年代文芸を読む」】2025/11/21(金)19:30~ 第4回・中沢けい『海を感じる時』(スピーカー:円堂都司昭&仲俣暁生) 詳しくはこちら↓ https://peatix.com/event/4643676 海を感じる時・水平線上にて (講談社文芸文庫) 作者:中沢け…

「文藝」冬号特集1「山田詠美デビュー40周年」

文藝 2025年冬季号 作者:文藝編集部 河出書房新社 Amazon 「文藝」冬号の特集1は「山田詠美デビュー40周年」。松浦理英子との対談で山田が「この前読み返したんだけど、大ベストセラーになった中沢けいさんの『海を感じる時』と見延典子さんの『もう頬づえ…

「昭和50年代文芸を読む」第3回・栗本薫『ぼくらの時代』

新装版 ぼくらの時代 (講談社文庫) 作者:栗本薫 講談社 Amazon 栗本薫・中島梓傑作電子全集3 [ぼくらの時代] 作者:栗本薫,中島梓 小学館 Amazon 【聞く連続読書会「昭和50年代文芸を読む」】第3回・栗本薫『ぼくらの時代』を双子のライオン堂で明日9/26(金…

これまでnoteにアップした過去原稿一覧

以下の文章はここで読めます。 (https://note.com/endingendless) 音楽×本 テーマ曲はティナ・ターナー――朝倉かすみ『ロコモーション』 歯列矯正器のエモ少女――津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』 村上龍とドアーズ、そしてヴェルヴェット・アン…

山村正夫『推理文壇戦後史』――回想録2

幼稚園から小学校低学年にかけては、物語を読むより、図鑑や事典を読む方が好きだった。項目ごとの説明というのではなく、出来事のひと連なりを書いたものとしては、やがて『ファーブル昆虫記』に親しむようになった。 ファーブルの昆虫記 上 (岩波少年文庫)…

「ロッキング・オン」追悼特集 渋谷陽一を読む

ロッキングオン 2025年 10 月号 [雑誌] ロッキングオン Amazon 「ロッキング・オン」10月号の追悼特集 渋谷陽一を読む。かつて同誌に掲載された彼の原稿が3本再録されており、うち2本は創刊から10年たった82年時点での原点回帰的な内容だった。 その1つ「ク…

映画『遠い山なみの光』

映画『遠い山なみの光』を観た。それぞれのエピソード、登場人物の感情のあり様が、原作よりも微妙にドラマチックに脚色されている。なにかと暗示的な内容だった小説に比べると、長崎の原爆が強調され、多少説明的になってもいる。そして、物語の肝でもある…

BEAT武道館公演と80年代キング・クリムゾン

当日朝の思い 1981年12月9日、渋谷公会堂。初来日したキング・クリムゾンの初日を観に行った。洋楽ライヴの初体験だった。70年代と異なる方向性にこのバンド名を使う必要があるのかと思わないでもなかったが、デヴィッド・ボウイやトーキング・ヘッズでエイ…

回想録--記憶・体験の整理

自分の過去について、○○年に△が起きて、●●年に▲が起きて、□□年に▽が起きて、■■年に▼が起きて……という体験の記憶がある。それぞれの体験が時間的に近接していれば、△が起きたから▲が起きたのだなとすぐに理解できる。しかし、長く生きていると何年も経ってか…

講談と『新八犬伝』

今日は中野講談教室の超初級コース「南総里見八犬伝」の2回目だった。前回、私が読む順番になり声を発している最中に、自分が子どもの頃「八犬伝」にはじめて触れた瞬間の記憶が蘇った。 小4の時、家のテレビが壊れ、音は出るものの画面が映らなくなった。つ…

渋谷陽一氏死去

渋谷陽一氏の訃報を知った。 浪人生だった頃(1982年か)、当時かかわっていたミニコミの編集長と一緒に六本木のマンションの一室にあったロッキング・オンへ行き、渋谷陽一氏にインタビューして、私が録音テープから文字起こしして記事にまとめたことがあっ…

芥川也寸志生誕100年記念コンサート

本日は、「芥川也寸志生誕100年記念コンサート」へ。昔、レコードで親しんだ “道行のテーマ”“落武者のテーマ”を含む映画版組曲『八つ墓村』を初めて生音で聴けてとてもよかった。 オーケストラの音楽で自分が記憶する最も古いものは、たぶん小学生低学年とか…

ミュージカル『LAZARUS』

ミュージカル『LAZARUS』観てきた。いろんな意味でDavid Bowie的な内容だった。ヒット曲集でも代表曲集でもない選曲だけど、使われていない彼の曲を連想させる要素も入っているような。『地球に落ちて来た男』の後日談である本作に、“Space Oddity”に対する”…

三田誠広『僕って何』読書会

僕って何 (河出文庫) 作者:三田誠広 河出書房新社 Amazon 【聞く連続読書会「昭和50年代文芸を読む」】2025/6/20(金)19:30~ 第2回・三田誠広『僕って何』読書会(スピーカー:円堂都司昭&仲俣暁生) 双子のライオン堂(配信あり) 『僕って何』で芥川…

『エクソシストは語る エクソシズムの真実』

共同通信に送った田中昇著『エクソシストは語る エクソシズムの真実』の書評、そろそろ各紙に掲載されているようだ。本書は、カトリックのエクソシスト=悪魔祓い師としての著者の経験も踏まえ、悪魔憑きの多くで精神疾患が疑われることを冷静に語っている。…

明日は村上龍『限りなく透明に近いブルー』読書会

円堂都司昭と仲俣暁生がスピーカーとなって双子のライオン堂で明日から始める連続読書会「昭和50年代文芸を読む」では、次の作品を対象に選んだ。 第1回 村上龍『限りなく透明に近いブルー』 第2回 三田誠広『僕って何』 第3回 栗本薫『ぼくらの時代』 第…

「ビックリハウス」「ミュージック・マガジン」「ロッキング・オン」

昨日の「出版業界の崩壊音の中で出版の未来を語り合う会」(仲俣暁生と橘川幸夫の対話/司会・石橋毅史)に行く前、橘川が創刊メンバーだった頃をふり返った『ロッキング・オンの時代』をあらためて通読した。 で、思ったのだけど、「ビックリハウス」や70年…

千野帽子『青ひげ夫人と秘密の部屋 「見たな」の文学史』

青ひげ夫人と秘密の部屋~「見たな」の文学史~ 作者:千野 帽子 光文社 Amazon 千野帽子『青ひげ夫人と秘密の部屋 「見たな」の文学史』。「青ひげ」をお題とする大喜利として古今の小説多数を読み直す内容で面白い。 例えば、円堂『物語考 異様な者とキス』…

連続読書会「昭和50年代文芸を読む」

以前、Xでこのようにつぶやいた。 W村上がデビューした1970年代後半の小説の連続読書会を夢想している。龍『限りなく透明に近いブルー』、春樹『風の歌を聴け』、栗本薫『ぼくらの時代』、橋本治『桃尻娘』、中沢けい『海を感じる時』、相手を殴りたくなる…

渡部直己と北上次郎

渡部直己『日本小説技術史』を読む。問題があった著者だが面白い。馬琴の稗史七則を起点に逍遥以降の近代文学を論ずる。北上次郎『冒険小説論』日本編が『八犬伝』からだったのを思い出す。北上がその前段で『水滸伝』に触れていたのに対し、渡部は『日本小…

猿若祭二月大歌舞伎

27回目の結婚記念日だった昨夜は、妻と歌舞伎座へ。「阿古屋」は玉三郎の琴・三味線・胡弓責めの美しさと種之助の人形振りのおかしさで魅せ、中村屋一門の「文七元結」は親族で人情喜劇をやってる楽しさ。花道近くの席がとれたし、満喫した。 30年ほど前の妻…

『中間小説とは何だったのか』

中間小説とは何だったのか: 戦後の小説雑誌と読者から問う 作者:小嶋 洋輔,高橋 孝次,西田 一豊,牧野 悠 文学通信 Amazon 小嶋洋輔・高橋孝次・西田一豊・牧野悠『中間小説とは何だったのか 戦後の小説雑誌と読者から問う』は、この領域が成立し、やがてそう…

江戸文芸周辺雑感

小説神髄 (岩波文庫) (岩波文庫 緑 4-1) 作者:坪内 逍遥 岩波書店 Amazon 馬琴批判で知られる坪内逍遥『小説神髄』を読むと馬琴への言及が多く、否定的意見に終始しているわけでもない。とはいえ、彼の文体を評価すると同時に「べ、べつに手本にしようってい…

1969年「第20回NHK紅白歌合戦」

NHK+で1969年の『第20回NHK紅白歌合戦』を視聴した。 当時6歳だった私に番組自体の記憶はないが、眠るまではたぶん父母と一緒に見たはず。 最近、過去にヒットした歌謡曲の年別リストを見ていたら、自分が同時代の新曲として聴いていた思い出があるのは1968…

スマホOCR

データを失い印刷物だけが残っている自分の過去原稿を、最近、スマホのOCRで読みとって文字データ化し、noteにアップするということをしている。その機能はどの程度のものなのか。帝国文庫版の曲亭馬琴『南総里見八犬伝』(博文社。明治39年の18版)の冒頭で…

映画『ベルサイユのばら』

映画『ベルサイユのばら』を観てきた。マリー・アントワネットとフェルゼンの結末が簡略化されすぎているとか、挿入歌が多すぎないかという不満はある。だが、長年にわたりヴァージョン違いや外伝をあれこれ作りすぎて物語の肝を見失った例も散見された今世…