ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

山村正夫『推理文壇戦後史』――回想録2

 幼稚園から小学校低学年にかけては、物語を読むより、図鑑や事典を読む方が好きだった。項目ごとの説明というのではなく、出来事のひと連なりを書いたものとしては、やがて『ファーブル昆虫記』に親しむようになった。

 だが、小学3年生くらいから江戸川乱歩をきっかけにミステリ、SFをぽつりぽつりとめくるようになる。小学校高学年の頃には、『のらくろ』、『鉄腕アトム』、『ゴルゴ13』など古い作品の復刊が盛んだったマンガも読むようになった。

 小さい頃に図鑑、事典を好きだったためか、自分が新しいジャンルに踏み入ろうとする時は、入門書、ガイドブック、その分野の事典に類する本をよく手にとるようになった。ミステリに関しては江戸川乱歩の評論や横溝正史のエッセイ、SFに関しては福島正実回顧録、マンガに関しては手塚治虫石森章太郎による入門書などが、よき水先案内となった。

 ミステリ関連で読んだもののなかでは、山村正夫『推理文壇戦後史 ミステリーブームの軌跡をたどる』が、思い出深い。同書は、同人誌、個人誌、マニアの会報といった非商業媒体をめぐる記述が、わりと多かった。また、SFのガイドなどを読んでも、同人誌やファンダムの催しなどの記述がよく出てくる。マンガ関連の読書では、石森章太郎らの同人誌『墨汁一滴』などの話題に触れた。

 これら同人誌の例に刺激され、小学校高学年の頃には、一人で書きものを紐で綴じて、私的な雑誌ごっこをしていた。その延長線上で中学一年の時、同級生たちに原稿を依頼し、肉筆の回覧誌を作ったのだ。

 

 

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