ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

イーノのヴォーカル

ブライアン・イーノの初期アルバム4枚が、紙ジャケで再発された。彼がまだソロ・“ヴォーカリスト”だった時期の作品である。 イーノのプロデュース作なら、ディーヴォ《退廃的美学論》のニュアンスに富んだ音作りがいい。アンビエントものなら、《オン・ラン…

『ニッポニアニッポン』で斎藤環とジョン・ディーコン

阿部和重『ニッポニアニッポン』が文庫化された。ここに掲げた表紙は単行本のものだが、文庫もこれと同様に、クイーン《オペラ座の夜》のジャケットのパロディを使っている。で、斎藤環が解説で、この小説における「カードキャプターさくら」や「おジャ魔女…

映画版『69 sixty nine』

映画版『69 sixty nine』を観てきた。単純に笑える娯楽青春映画になっていた。原作をちょこまか組み換えていても、イメージは崩していない。……というか、原作の場合、高校生の一人称だと思って読んでいくと、時おり“大人”になってからの村上龍が隙間から顔を…

《ザ・キュアー》

昨夜の献立 炒め物――やすーい豚赤身ブロックを紐状に細長く切り、ゴマ油、酒、しょうゆ、おろしにんにく&しょうがでもみこんでしばらく寝かせる。かるく片栗粉をまぶしたこの肉を、やはり細長く切ったゴーヤ(塩もみしてざっと水で表面の塩を流したもの)、…

滝本竜彦と大槻ケンヂ

最近書いたもの 「戦闘美少女&普通男子」(滝本竜彦『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』文庫化と奈須きのこ『空の境界』に関するコラム) → 「ロッキング・オン・ジャパン」8月号 上記コラムでは、ジャパニーズ・ロック雑誌に掲載されるんだからも…

エアロスミス、7.20東京ドーム公演

演奏曲目 TOYS IN THE ATTIC / LOVE IN AN ELEVATOR / ROAD RUNNER / BACK IN THE SADDLE / THE OTHER SIDE / CRYIN’ / JADED / NEVER LOVED A GIRL / RAG DOLL / BACK BACK TRAIN / STOP MESSIN’ AROUND / LAST CHILD / MILK COW BLUES / DREAM ON / DRAW T…

《フランツ・フェルディナンド》

フランツ・フェルディナンドのメンバーは影響を受けたアーティストとして、ものすごくたくさんの名前を上げているが、バンド名を冠したこのファースト・アルバムからまず連想するのは、前期のトーキング・ヘッズ。そして、初期のロキシー・ミュージック、ニ…

ビースティ・ボーイズ《トゥ・ザ・5ボローズ》、NY、キング・コング

ビースティ・ボーイズの6年ぶりの新譜は、僕が期待していたものとは、ちょっと違っていた。 ブラック・ミュージックの文脈以外にも開かれていて、“俺さま節”的なマッチョ主義でもないものとしてヒップホップを鳴らす――ビースティは、そのようなタイプのヒッ…

マッカートニーあれこれ

昨日、赤坂の東京写真文化館でリンダ・マッカートニー写真展を拝見した(今月25日まで開催中)。さほど広くないスペースに、彼女の遺作となった静物・風景のシリーズ(Wide Open)、自動車から撮影した作品(Road Works)など、モノクロ中心に約60点が展示さ…