ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

《ザ・コレクターズ・キング・クリムゾン Vol.8》

クリムゾン関連では《真・紅伝説》ASIN:B000666UNO、当家財政上の限界もあるし、もとの《紅伝説》は所有しているので、発掘ライヴBOXのみをとりあえず先に購入。
以下、《ザ・コレクターズキング・クリムゾン Vol.8》ASIN:B000666UNEた3枚の音源に関するコメント。

ProjeKct One《Jazz Cafe Suite,1997》

プロジェクト1は今のところ、ビル・ブラフォードとロバート・フリップががっちり共演した最後の場だろう。この編成の音源が初めてまとめられた《Live At Jazz Cafe》では、《暗黒の世界》の時期を思い出させるハードなジャズ・ロックに聞きごたえがあった。しかし、計8回のライヴ音源を編集し組曲に仕立て直したこのディスクでは、アンビエント的な静かなパートが目立つ構成になっている。アコースティックなドラム&パーカッションでジャズの方向へ引っ張ろうとするブラフォードと、エレクトロニクスによって次の姿へメタモルフォーゼしたがるフリップの相克が、このユニットの特徴だったはず。でも編集のせいか、ここでは丸くまとまっている印象も。

《Live in Orlando,FL,1972》

《アースバウンド》編成による末期のステージ。というわけで、この編成にしても初期の公演ではなくもなかったクリムゾン的な構築美、細かいニュアンスへの配慮は、もう忘却されている。繊細なトーンで始まった〈Formentera Lady〉ですら曲後半では、やはりこのディスク収録の〈Earthbound〉に近い野放図なジャム・セッションへばらけていく。おかげで、続く〈The Sailors Tale〉への入り方がどさくさまぎれの感じになってしまっている。そんなぐあいで、まとまりのよいライヴではないが、当時のバンドの変な雰囲気は出ているコレクター向きの一枚。

《Live in Guildford,1972》

《太陽と戦慄》発売前のジェイミー・ミューアを含むステージ。このラインナップのお披露目《Live at The Zoom Club,1972》(《ザ・コレクターズキング・クリムゾン Vol.7》ASIN:B00008BEGU)ではドラムが入っていた〈Book of Saturday〉がドラムレスに変化(まだフルートからヴァイオリンへのアレンジ変更はできていないが)。また、〈Exiles〉のイントロはZoom Clubではギターだったが(第1期クリムゾン〈Mantra〉のフレーズ)、ここではメロトロンになっている。
コレクターズ・シリーズで公式発売されたこの編成による3セットのうち、本盤の収録時期が最も遅く、メンバー間の間合いは向上しているし、アレンジも完成に近づいている。〈Exiles〉後半の録音が脱落しているのが痛いものの、音の状態はこの時期のわりには良好なので、ミューア在籍時のライヴをこなれぐあいから選ぶなら、これが一番かも。

  • 夕べの献立
    • 塩ジャケ
    • ひき肉をチャーシューのたれで炒め、溶き卵、刻みネギを加え、焼いたナスにからめたもの(先日、しょう油+酒を青ネギ、しょうが、ニンニク、シナモンで香りづけし、みりん、きび砂糖で整えた汁によって、表面を焼いた豚を煮た。この残りダレの流用)
    • 大根とえのきの味噌汁
    • 玄米ご飯
    • ひじき、大豆、ニンジン、油揚げをめんつゆ+みりんで煮たもの。このうち大豆は、乾燥状態から水煮したもの。「ファウスト Vol.4」をめくりつつ、アクをとったり、さし水をしたりで3時間もかけて煮たのだ。

これからテープ起こしをしなければならない。この仕事は、音楽を聴きながらではできないのがダルい。