自分としては行く気はなかったけれど、友人に誘われたので、昨夜、渋谷C.C.Lemonホールでエイジアを見た。これが意外と楽しめた。
今回ツアーのセット・リストの特徴は、メンバーそれぞれがエイジア以外でかかわった曲を組み込んだこと。
○イエス〈ラウンドアバウト〉 − スティーヴ・ハウ
○キング・クリムゾン〈クリムゾン・キングの宮殿〉 − ジョン・ウェットン
○エマーソン・レイク&パーマー〈庶民のファンファーレ〉 − カール・パーマー
○バグルズ〈ラジオ・スターの悲劇〉 − ジェフ・ダウンズ
――以上4曲だ。
これをみると、なぜ、ウェットンが加入する以前のクリムゾンの曲が選ばれたのか、不自然ではある。かつて、エイジアのライヴではハウの脱退後、ウェットン在籍時代のクリムゾンの曲〈スターレス〉、〈土曜日の本〉を取り上げていた。だが今回、この2曲をやることにハウが難色を示したのではないか――と僕は勝手に邪推している。〈宮殿〉のほうがハウのプレイ・スタイルにあうし、ウェットンはスティーヴ・ハケット&フレンズのライヴ(イアン・マクドナルドも参加)ASIN:B0000CD81B、〈宮殿〉を歌っていた。また、上記4曲をみればわかる通り、エイジア以外の曲であっても、メンバー4人が全員参加できることを基準に選ばれている。したがって、ドラム不要の〈土曜日の本〉ははずされた。――そのような経緯だと推理する。
しかし、せっかくのセレクトだというのに、メンバーは〈宮殿〉、〈ラウンドアバウト〉の曲構成を未だに覚えきっていない様子。なんだか、ヨロヨロしたプレイだった。もう、このツアーで何回も演奏したはずなのに、歳のせいか物覚えが悪くなっているらしい。
また、〈ラウンドアバウト〉では、ウェットンのベースがクリス・スクワイアのオリジナルより音数が少ない。加えて、ウェットンの声のトーンは、ジョン・アンダーソンより低い。カール・パーマーのドラミングも含めてそうだが、イエス・ヴァージョンの疾走感からは遠く、なんとも鈍重な〈ラウンドアバウト〉だった。
これらに比べれば、ウェットンがメガホンを使って歌いだした〈ラジオ・スターの悲劇〉は、もともとコミカルなナンバーだし、観客としてもお気楽に盛り上がれた。
……と、なんだかんだ批判してきたが、エイジアのオリジナル曲に関しては、予想外に好印象を持った。あらためてファーストの曲を聞くと、よく出来ている。昔は馬鹿にしていたけれど、これは評価されるべきものだなと、昨夜、思い直した。
今回のエイジアのツアーは、オリジナル・メンバー再結集がセールス・ポイントだった。でも、エイジアで“オリジナル”なんて言ってもしょーがないじゃん、と最初は思ったのだ。クリムゾン〜UK、イエス、バグルズ、エマーソン・レイク&パーマーという居場所をなくしたプレイヤーたちが、寄り合い所帯で始めたのがエイジアだった。つまり、エイジアは、イエス、EL&Pといったプログレ黄金期バンドの代用品みたいなイメージが強かった。バンド自体が二番煎じなのだから、そこの“オリジナル・メンバー”であることにどれだけ意味があるのさ? と意地悪な僕は考えたわけ。
しかし、エイジアの1stの曲が再現されるのを聞くと、ギター、ドラム、キーボードがそれぞれ、印象に残りやすい決めフレーズをあちこちに散りばめ、歌メロもしっかりとある。プログレ出身者たちの演奏ボキャブラリーを活かしつつ、コンパクトにまとめ、バランスのとれたポップスに仕上げている。昨夜のステージを見て、1stの曲の平均点が高かったのは、この4人が曲の構成要素を提供していたからだと納得した。
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(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20060206#p1)
- 5日夜の献立
- 6日夜の献立
- 7日夜の献立
- 鶏のパン粉焼き(赤ワイン、にんにく、ハーブ塩、こしょう、パン粉、パルメザンチーズ、オリーブオイル。オーブンで)
- なすと長ネギもオーブンで(ハーブ塩、オリーブオイル)
- きんぴらの残り
- 水菜(ポン酢)
- 玄米ごはん
- 雑酒、チューハイ