(前座)ロバート・フリップ
これまで、キング・クリムゾンをはじめ、フリップが参加したバンドやプロジェクトのライヴの一場面としては、何度も彼のソロ・パフォーマンスを見てきた。けれど、それらはどれもせいぜい10分程度だった。だから、ソロ・アーティストとして登場し、まとまった時間(今回は30分)を演奏するのを見るのは、今回が初めて。
モワワワワァ、シュシュシュゥゥゥ――というサウンドスケープのループが主体になるなか、時おり、ギター・ソロらしいギター・ソロを弾く。最近の海外公演では〈スターレス〉の一節を弾いた日もあったようだが、あの種のゆったりしたフレーズ。
このスタイルのパフォーマンスだと、30分くらいでちょうどいい感じ。短い時間だと、サウンドスケープによる雰囲気作りだけで終わり、ギター・ソロまでじっくり展開する余裕がない。かといって、これ以上長くやられても、眠ってしまう(笑)。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20060529#p1)
ポーキュパイン・ツリー
フリップ目当てだったので、さほど期待していなかったが、予想外によかった。音数多めのドラムを筆頭に、アンサンブルに凄みを感じさせる場面が何度もあった。
字あまりなリフによる変則リズム、複雑な曲展開など、いわゆるプログレ的でテクニカルな手法により緊張感を高めることに長けている。そこに、コーラス・ハーモニーやアコギなどで牧歌的な色を加えるあたり、70年代のバンドに通じる感覚がある。
- アーティスト: ポーキュパイン・ツリー
- 出版社/メーカー: WHDエンタテインメント
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: CD
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とてもよいバンドだとは、思う。ただ、自分としては牧歌的な色に関し、歴史的過去に対してはともかく、今の時代にはもう求めていないのも本音。ポーキュパイン・ツリーについては、彼らをフリップが評価していることが売りになっている。だが、フリップが評価しているバンドというなら、クリムゾンとツアーしたこともあるトゥール(ASIN:B000EPFPVU)のほうを、僕は買う。
70年代的な牧歌性からは遠ざかり、アンサンブルの凄みに集中するトゥール、あるいはマーズ・ヴォルタ(ASIN:B000GALEZ4)、ZAZEN BOYS(ASIN:B000CBLPM4)といったバンドのほうが、プログレ的手法の現在進行形として、より面白く感じる。
- 30日夜の献立
- 鶏ささみ、白菜、しめじ、にんじんの酒蒸し(ポン酢)
- 玄米ごはん
- 雑酒、焼酎−−いろいろ忙しいので料理は手抜き。