ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

最近の耳事情 4

DIGITALISM《IDEALISM》

デジタル主義(初回限定盤)
デジタリズムは「ISM」と称しているが、サウンドに関し特定の主義で通しているわけではない。この《デジタル主義》には、ダフト・パンク的な要素と、〈ダフト・パンク・イズ・プレイング・アット・マイ・ハウス〉と歌ったLCDサウンドシステム的な要素が同居している。ダンスとロック、といった場合の振れ幅を、あっちに行ったりこっちに行ったり。
やはり、〈ポゴ〉のニュー・オーダーザ・キュアー調の哀愁メロディはよいね。

BATTLES《MIRRORED》

Mirrored (WARPCD156)
以前のEPから予想された範囲に収まっているファースト・フル・アルバム。とはいえ、歪なフレーズ、歪なリズムの反復を中心に、変化をつけていく――バトルスのこういうパターンは、キング・クリムゾン好きの身としては、よくなじむ。
虫歯菌が宴会開いてるみたいな〈ATLAS〉のヴォーカルがおかしい。

サディスティック・ミカ・バンド《LIVE in Tokyo》

LIVE in Tokyo
今回の再結成は、一部に高橋幸宏エレクトロニカを持ち込んだ場面はあったものの、基本的にはバンドのグルーヴをどう出すかに力点があった。だから、ロックンロールの人、奥田民生がゲストでギターを弾いても、意外に溶け込んでいた。これが、“その後のメンバーのソロ集”的で、YMO後遺症的なデジタル感が影を落としていた80年代末の再結成だったら、民生は似合わなかった気がする。
再結成(サディスティック・“ミカエラ”・バンド)ライヴの選曲はこんなもんだろう、とは思うが、《天晴》asin:B000GALGAM桐島かれんの歌った曲を木村カエラが歌ったらどうなったかなと、ちょっと想像した。〈ダシール・ハメット&ポップコーン〉とか、カエラが歌ってもよさそうじゃない?