ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

21ST CENTURY SCHIZOID BAND 《PICTURES OF A CITY-LIVE IN NEW YORK》

Pictures of a City: Live in New York
実質的に、ロバート・フリップ抜きのキング・クリムゾン再結成=21ST センチュリー・スキッツォイド・バンドの2004年のライヴ。ドラマーがマイケル・ジャイルズからイアン・ウォーレスに交代した後の録音である。
フレーズが細やかで小気味よく叩くジャイルズに対しASIN:B0000D8RJZ、歳をとり落ち着いたのか、ジャイルズを意識してか、ややジャズ寄りのプレイをするようになったウォーレス。とはいえ、しばらく聞いていれば、やっぱり《アースバウンド》時代のブルース・ハード・ロックを思い出させる、ウォーレス特有のドッスンバッタンが飛び出してくる。まぁ、ここでのウォーレスは、ジャイルズの遺産と自分の持ち味の両方を披露しようと、けっこう健闘していると思う(ただし、〈冷たい街の情景〉の速い部分のドラム・フレーズは元アレンジと距離があり、違和感を覚えるが)。
イアン・マクドナルド、メル・コリンズ、ピーター・ジャイルズの3人は、マイケル・ジャイルズを伴い復活ツアーをした経験により、昔のプレイの感覚をだいぶ取り戻したらしい。ウォーレスのドラミングはクリムゾン・ファンには賛否両論あるだろうが、上記3人に関しては前回ツアーよりもアドリブが活き活きしており(そのぶん、1曲ずつが微妙に長くなった、笑)、アンサンブルとしても一段と息が合うようになった。
それにしても、ロバート・フリップのギター、グレッグ・レイク、ゴードン・ハスケル、ボズ・バレルのヴォーカルの代役を務めるジャッコ・ジャクジクは器用な人だ。彼とマクドナルド、コリンズの3人がフルートを吹き(〈SPEND US THREE〉)、そこから〈ケイデンスとカスケイド〉に入っていく展開は、もとのクリムゾンのライヴではありえなかったパターンで、とても美しい。ジャッコの歌声は線が細いので、やはり繊細な曲のほうがいい。
ケイデンス〜〉のほかは、〈フォーメンテラ・レディ〉〜〈船乗りの話〉、〈サーカス〉、〈スターレス〉(←ちょっとぎこちない演奏だが)あたりに、このメンツならでは、という部分が出ている。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20060331#p1

  • 10日夜の献立
    • レッドカレー(缶詰+鶏肉)
    • 玄米1:白米2のライス
    • 水菜(にんにくを焦がしたごま油、ポン酢)