ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

SUMMER SONIC 06 (2)

10YEARS

4月のKORN来日公演でオープニング・アクトを務めた彼らを見た。その時に比べ、今回はバンドのたたずまい、演奏とも、一回り大きくなっていた。

PE’Z

終盤にゲスト・ヴォーカルを加えたステージ。勢いの感じられるパフォーマンスだった。

JIMISEN with 座椅子ジョップリン

ジミ・ヘンドリックスジャニス・ジョップリンのコピー。ジミヘンは右利き用のギターを左で弾くのに対し、顔を黒塗りにしたジミセンは、左利き用を右で弾いているのが微笑ましい。座椅子も一所懸命なりきっていたけれど、日本女性が大きなサングラスをかけると、どうしてもオノ・ヨーコに見えてしまう。

WE ARE SCIENTISTS

ヴォーカルが声質、メロディともポップ。

ANDREW W.K.

ピアノを用いたアレンジはドラマチックなはずなのに、キャラクターがああだからコミカルな印象を残す。

ARCTIC MONKEYS

ヴォーカルとギターを筆頭に、とにかく歯切れのいい音を出す。今一番上り坂のバンドだなと実感。

BUCK-TICK

前かがみガニ股の姿勢から片足を上げる今井寿のアクションが、やっぱり変。櫻井敦司の芝居がかった耽美なパフォーマンスとは異なり、今井はヤンキーな仕草なのだ。今井はスタジオ録音では、インダストリアルとかエレクトロニカとか、ピーピーガーガーとエクスペリメンタルなサウンド・クリエイターである。それなのに、ステージ上では出している音とは反対に、キース・リチャーズに似た古典的ヤンキー系ギタリストのたたずまい。そのギャップが面白い。

TOOL

このステージの直前まで、2日間通してのベスト・アクトはARCTIC MONKEYSかと思っていたが、TOOLは一枚上手の貫禄だった。僕にとっての00年代ベスト・ライヴは、今のところ《ラタララス》発表後のTOOL来日公演だ。そして今回も、ドラムを筆頭に、とんでもない演奏を聞かせてくれた。
バックのスクリーンが目立つステージで、メンバーの姿が映像に埋もれているのは、初期ピンク・フロイドのライト・ショーみたいな感じか。なかでも、ヴォーカルのメイナードが終始、シルエットの状態で光がほとんど当たらないのは、暗がりでギターを弾くキング・クリムゾンロバート・フリップを思わせる。TOOLはこの2バンドのファンであり、サウンドだけでなくたたずまいにまで系譜が感じられる。

10,000デイズ

10,000デイズ

MASSIVE ATTACK

TOOLが終わった後、MASSIVE ATTACKの終盤を見る。メンバーの姿よりも背景のライトを目立たせ、トリップ感を高めようとするのはTOOLと同様。音楽性ではかなり差があるはずの2組だけれど、67年サマー・オブ・ラヴのサイケ感覚の末裔という意味では、遠い親戚といえるのかもしれない。心地よい浮遊感であり、できれば最初から見たかった。