ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

『ブラック・ジャック』と真矢みき

ブラック・ジャック (1) (少年チャンピオン・コミックス)
現在放映中のTVアニメ版『ブラック・ジャック』を、今日たまたま目にした。わけあって、子どもがブラック・ジャックのふりをするというエピソード。そのチビで丸顔の偽者ブラック・ジャックを見て思い出した。僕は、宝塚版『ブラック・ジャック』を過去に見たことがあります。しかも、立ち見で。劇場前で別の客から余り券を買って、なんとかもぐりこんだのでした。当時(90年代中頃から後半にかけて)はそんなにまでして、見たかったのである。なんだか、取り憑かれていたのである。
最近CMやバラエティなどでやたらこまめに稼いでいる真矢みきが、まだ宝塚花組の二番手スターだった頃の話。例の傷をしっかり顔面にメイクして、ブラック・ジャックを演じたのが、今以上にほっぺに丸みがあった真矢みきだった。変だった。とっても変だった。そして、宝塚の公演では通常、芝居とショーの2本立てである。『ブラック・ジャック』の時のもう一本は、『火の鳥』だった。鳥が踊る設定は、まあ、幻想的だからいい。でも、鼻のでかいお茶の水博士まで踊ってました。変でした。とっても変でした(しかし、よく考えると、漫画のなかで博士が浮かれて踊ってることあったよな。ということは、原作に忠実な舞台化だったのか?)。誰が演じてんだかわからない鼻デカ・キャラのインパクトが強すぎたので、ショーのほうで真矢みきがなにを演じてたのか思い出せない。ヒカシューが主題歌で加山雄三が顔に傷の落書きしてたドラマ版『ブラック・ジャック』に匹敵するくらい変でした。
――てなこと思い出すと、今の真矢みきは、気軽にいろいろ使ってもらえる、本当においしいポジションを手に入れたよなぁ、と感慨ひとしお(個人的には、あそこらへんの世代の男役で一番好きだったのは涼風真世だったんだけど)。
ちなみに、明日の『笑っていいとも』テレホン・ショッキングに出演予定の安寿ミラは、真矢みきより一代前の花組トップ・スターでした。本来は、頬がこけている安寿ミラ用に『ブラック・ジャック』の公演が組まれ、宝塚大劇場では実際、安寿が演じたのだが(ヴィデオで見た。これは宝塚にしては意欲的な演出だな、と感心した覚えがある)、彼女が海外公演だったかで不在になったため、東京公演は二番手の真矢がつとめたのだった。というわけで、明日の『いいとも』見る人は、安寿の顔に『ブラック・ジャック』の傷があるのを想像して、楽しんでくださいませ。


とか言ってる場合か? ああ、今週から来週にかけてめちゃくちゃ忙しいのよ、俺は。こんなアホなこと書いて逃避してちゃいけないんだけど……。