昨夜、久しぶりに『女王の教室』を見て、ふと思った。このドラマで鬼教師役の天海祐希は、“私は決して動じません”って空気を出すために、低く硬い声でゆっくり話す。この声色って、彼女が宝塚の男役だった頃に近い。『風と共に去りぬ』のレット・バトラー役なんかを思い出してしまったよ、僕は。
宝塚時代、天海は若くして月組のトップスターになったけれど、二番手スター・久世星佳のほうが年上だったのをはじめ、組内には先輩が多くいたわけだ。だから、トップスターとはいえ、なかなか“君臨”はしにくかったろう。
逆に今度のドラマでは、まわりが児童ばかり。圧倒的な年齢差、身長差を背景に組を支配する“女王”の役は、演じていてけっこう気持ちよかったのではないか。こんなことを月組時代にやれてたら楽しかったのになぁ、なんて思ったりしてたかも、それが役作りに活かされたんじゃないか、と邪推する僕である。
また、天海は宝塚在籍時、ファンに無愛想だといわれていた。僕は、娘役トップで天海の相手役だった麻乃佳世のファンだったから、東京宝塚劇場で何度か月組の出待ちをしたけれど、天海のファンに対する態度は確かにクールではあった。ニュータイプと評されたゆえんである。
で、『女王の教室』の天海は、子どもたちと友だちみたいに接してなれあうなんてことは金輪際せず、はっきり距離を置き続ける役である。これって、かつての天海の宝塚ファンとの接し方を知っていて、それを踏まえてキャスティングしたんだろうか? 昔の彼女を知っていると、無愛想と呼ばれたイメージをデフォルメした結果が今度の鬼教師役になった−−なんて風に見えなくもない。いずれにしろ、適役である。
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続いて、『エンタの神様』を見る。摩邪が出てきて、ふと思った。彼女のマイクの握りかたって、プロレスラーっぽくなくない?
摩邪はマイクの棒の部分をわしづかみにするのではなく、上の丸い部分に少し人差し指をかけながら握っている。手の形に、微妙に“気どり”が感じられる。しかも、その握りかたに慣れがあるから、まるで、スナックでバイトしてる娘がカラオケで歌う時みたいである。なんつうか、その握りかたに、女の子っぽい素顔が見えるような気がしました。
昨日、丸刈りにした。長さ9mmになるバリカンで刈ってもらった。これだけ短くしたのは大学の時以来か。自転車で走ると、頭皮に風を感じる。鏡の中が、なんだか新鮮である。