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古市憲寿と島田雅彦

古市憲寿の初小説『平成くん、さようなら』を読んだら結末に、時代の技術水準が違うゆえの差はあるけれど、島田雅彦『天国が降ってくる』に通じる発想がみられた。 考えてみれば、サヨク/青二才/ヒコクミンを偽悪的に自身や登場人物のキャラにしていた初期…

noteへの過去原稿アップ

noteにアップしてきた過去原稿がけっこうたまってきたから、これまでの分の一覧を作った。 トップページ https://note.mu/endingendless 新本格ミステリ=パンク/グランジ説――ロックで読んだ法月綸太郎 https://note.mu/endingendless/n/n14364fe73e9e 伝説…

エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧』

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シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 ((文春新書))作者: エマニュエルトッド,Emmanuel Todd,堀茂樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/01/20メディア: 新書この商品を含むブログ (15件) を見る 地球上どこでも人間は同じなのであれば、異なるふる…

映画『グレイテスト・ショーマン』

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このミュージカル映画では身体、人種、階級をめぐる差別がモチーフになっている。“The Greatest Show”で壁が否定され(「And the walls can’t stop us」)、”This Is Me”で人それぞれの自己と多様性が言祝がれるあたり、ドナルド・トランプ的な思考に抗する…

映画『不都合な真実2 放置された地球』

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昨日、シネマイクスピアリで上映最終日だった『不都合な真実2 放置された地球』を観てきた。で、本編前に何本も流される予告編上映のなかに、本日から公開の『ジオストーム』も含まれていた。地球温暖化をめぐる啓蒙ドキュメンタリーの直前に、彼氏も凍る異…

『アガサ・クリスティーの大英帝国』『労働者階級の反乱』

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東秀紀『アガサ・クリスティーの大英帝国 名作ミステリと「観光」の時代』、ブレイディみかこ『労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱』をたて続けに読む。後者は近年の話題だけでなくここ100年あまりの歴史をふり返っているので前者と時代はかぶる。ク…

『日本ノンフィクション史』と松本清張

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日本ノンフィクション史 - ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで (中公新書)作者: 武田徹出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/03/21メディア: 新書この商品を含むブログ (13件) を見る 読了。日本においてルポルタージュ、ノンフィク…

欅坂46“不協和音”

不協和音(TYPE-A)(DVD付)アーティスト: 欅坂46出版社/メーカー: SMR発売日: 2017/04/05メディア: CDこの商品を含むブログ (6件) を見る ファースト・シングル“サイレントマジョリティー”のテーマをより強烈にしたような“不協和音”。2曲の歌詞は次の通り↓ ht…

『シン・ゴジラ』

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シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組出版社/メーカー: 東宝発売日: 2017/03/22メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (28件) を見る ブルーレイ3枚組を買った。私もこの映画のエキストラに参加して、本編に後頭部だけ映っている。いわゆる蒲田くんの上陸を、ビ…

壁、イギリスのEU離脱

ピンク・フロイドは1979年に『ザ・ウォール』を発表し、ライヴ中のステージにパフォーマーと観客を隔てる壁を築き、最後にそれを崩すという大がかりな演出を行った。米ソの東西冷戦構造の最中であり、ベルリンの壁が崩れることなど想像できなかった時代のこ…

オバマの広島訪問と水俣病公式確認60年

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来日したオバマ大統領が本日夕、被爆地・広島を訪問する。 また、今年は水俣病が公式に確認されてから60年にあたる。 原爆や原発の放射能、水俣病に代表される公害・環境汚染が、日本の戦後の“危機”をめぐるイメージにどのような影響を与えたか、それらにつ…

三島賞

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ハスミンのボンジュール重彦の会見。 「蓮實重彦」なる物語の表層で戯れ続ける凡庸さでお話させていただきます、て感じか。 そこに嫌味はあっても事件や不意打ちはなく。 伯爵夫人作者: 蓮實重彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/06/22メディア: 単行本…

検索型ミステリとグーグル的探偵像

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小保方晴子が今さら手記『あの日』を発表した。彼女の論文のコピペ問題については、ネット上でいろいろ検証作業が行われた。同様の事態は、佐野研二郎の東京五輪エンブレム問題でも繰り返された。多数のネット民が、“捜査”(あら捜し)、“推理”(邪推)、“想…

アマゾンのレビューとか

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戦後サブカル年代記 -日本人が愛した「終末」と「再生」-作者: 円堂都司昭出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (14件) を見る 『戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と「再生」』に関して、Amazonのレビ…

円堂都司昭 × 山本昭宏 [「終末」と「核」から考える日本文化]

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2016年1月26日にゲンロンカフェにおいて山本昭宏氏と[「終末」と「核」から考える日本文化──『戦後サブカル年代記』と『核と日本人』をめぐって]と題した対談を行います。 私が『戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と「再生」』を執筆中に山本氏の『…

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

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最近自分が書いたもの サブカルチャー季評(今回とりあげたのは『スター・ウォーズ』シリーズ) → 1月16日付「読売新聞」夕刊 上記原稿に書かなかったこと。 今度の新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、「スター・ウォーズ」サーガが、アナキン・ス…

普天間へディズニーリゾート誘致

『ディズニーの隣の風景』を執筆していた頃、アメリカ軍基地に居座られ続ける沖縄と、アメリカ文化の象徴であるディズニーを自ら招致した浦安の対比について考えていた。沖縄も浦安も「アメリカ」を組み込んだ形で地域の今が出来上がっているが、そのありよ…

円堂都司昭×宮沢章夫「終末・都市・サブカルチャー」

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24日土曜日19時から、下北沢B&Bでトークします。よろしくお願いします。 今回B&Bでは、『戦後サブカル年代記 -日本人が愛した「終末」と「再生」-』刊行を記念してトークイベントを開催します。 対談のお相手には、昨年10月に『NHK ニッポン戦後サブカルチャ…

『戦後サブカル年代記』のプレイリスト

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本を書く時は毎回、それ用のサウンド・トラックというかイメージ・アルバム的に曲を選ぶ。それを繰り返し聴きながら気分を盛り上げ、構想を練ったり、原稿を書いたりするのだ。 『戦後サブカル年代記』用のプレイリストはこんな感じ。他にはロバート・フリッ…

「宝島」休刊号

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自分がまだ中学・高校生だった1970年代に出会った雑誌に、近年になってからようやく原稿を書く機会を得たのは、なんだか不思議な経験だった。で、「本の雑誌」はあまり変わらぬ風情のまま今も続いているけれど、「宝島」は何度もリニューアルしてまるで…

『戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と再生」』目次

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戦後サブカル年代記 -日本人が愛した「終末」と「再生」-作者: 円堂都司昭出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (14件) を見る 戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と「再生」 THE POST WAR DREAM & YOUR …

近刊予告『戦後サブカル年代記 日本人が愛した「終末」と「再生」』

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8月24日発売予定。 http://seidosha.co.jp/index.php?published 戦後サブカル年代記 -日本人が愛した「終末」と「再生」-作者: 円堂都司昭出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (14件) を見る 内容説明はこちら。…

江藤淳『成熟と喪失 “母”の崩壊』

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成熟と喪失 “母”の崩壊 (講談社文芸文庫)作者: 江藤淳,上野千鶴子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1993/10/04メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 54回この商品を含むブログ (49件) を見る 進行中の単行本書下ろしの参考のためにとめくった江藤淳『成熟と喪失…

苦楽堂編『次の本へ』

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次の本へ作者: 苦楽堂出版社/メーカー: 苦楽堂発売日: 2014/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (16件) を見る ある本を読んだ次にどんな本を読むのか。84人の寄稿者が「次の本との出合い方」を語ったエッセイ集である。私は、坪内祐三『靖国』の…

ディズニーとダークサイド

映画『エスケイプ・フロム・トゥモロー』は、ディズニーのテーマパークでゲリラ撮影した、ちょっと奇妙なダーク・ファンタジーだった。あの「夢と魔法の王国」の裏側に潜んでいる(かもしれない)要素を暴き出した怪作といった趣である。 映画の日本公式サイ…

上妻祥浩『絶叫!パニック映画大全』

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絶叫!パニック映画大全作者: 上妻祥浩出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/05/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 『ポセイドン・アドベンチャー』、『エアポート』シリーズ、『大地震』、『日本沈没』、『ノストラダム…

『メトロポリス』と“ラヴ・キルズ”

1926年制作のフリッツ・ラング監督『メトロポリス』(1926年)に対し、ジョルジオ・モロダーが84年にエレポップ的音楽をつけ、当時流行していたMTVのミュージック・ヴィデオのごときものへと、サイレント映画の古典を変貌させた。 そのモロダー版の映画主題…

和楽器バンド『ボカロ三昧』、ボーカロイドと邦楽

メンバーに和楽器演奏者のいるバンドが、ボカロ曲をカヴァーした和楽器バンド『ボカロ三昧』。自分の予想、期待した方向性とは違っていたけれど、打ち込み主体のデジタル色強いボカロ曲を和楽器のアナログな響きへと変える試みは楽しい。骨格となるロック・…

労働組合、スト、定時出社定時退社

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私が最初に就職した業界紙は、社員=労働組合員という仕組みだった。管理職になると組合から抜けるので、労組は若手&出世できない人の集団である。 小さな会社だから、役員の仕事は入社数年ですぐに回ってくる。 32歳委員長、29歳書記長(=私)の時、賃上…

批評系同人誌プレイバック

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noteで「批評系同人誌プレイバック」というシリーズを不定期にやることにした。 我が家にある批評系同人誌をいきあたりばったりにふり返るというもの。ごちゃごちゃ考察しようとはせず、メモ書きを作ってくような感覚で。 とりあえず2回分、アップした。ど…