このミュージカル映画では身体、人種、階級をめぐる差別がモチーフになっている。“The Greatest Show”で壁が否定され(「And the walls can’t stop us」)、”This Is Me”で人それぞれの自己と多様性が言祝がれるあたり、ドナルド・トランプ的な思考に抗する態度がうかがえる。
また、『ラ・ラ・ランド』にみられた芸術における正統・伝統と商業性の衝突というテーマが、この映画にもみられる。
とはいえ、それらの問題は重く追及されているわけではない。差別問題がらみの作品としては、『ズートピア』の方がシリアスだろう。また、三角関係の描きかたもドロドロしたものではないし、人間ドラマとしてさほど深みはない。ストーリー展開自体は意外に淡泊だ。
しかし、歌、踊り、見世物性でグイグイ押していくエンタテインメントとしては面白い。十分楽しんだ。
- アーティスト: オリジナル・サウンドトラック
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: CD
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