- アーティスト: 欅坂46
- 出版社/メーカー: SMR
- 発売日: 2017/04/05
- メディア: CD
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ファースト・シングル“サイレントマジョリティー”のテーマをより強烈にしたような“不協和音”。2曲の歌詞は次の通り↓
http://j-lyric.net/artist/a05b333/l03a3fb.html
http://j-lyric.net/artist/a05b333/l03efb1.html
“不協和音”の内容の激しさと平手の熱演ぶりを私は面白いと思う。で、曲の強烈さがどこから来たかというと、例の一件に対する秋元康なりのアンサーだという気がする。
デビュー以来、順調に歩んできていた欅坂46の唯一のつまずきといえるのが、ナチス風衣裳を着用してユダヤ系人権団体から抗議され、イスラエル大使館から「ホロコーストに関する特別セミナーに招待したい」といわれてしまったこと。
一方、“不協和音”は「抵抗」「裏切り者」「撃たれる」「死んだも同然」「支配」「軍門」「抹殺」などと刺激的な言葉を多く散りばめた詞で、「僕は嫌だ」と自分の正義を貫くことを歌う。
それは、大人たちが要求する同調圧力に屈しないという“サイレントマジョリティー”の青春らしいテーマのレベルにとどまらず、全体主義、独裁体制への抵抗運動であるかのような激烈な詞世界になっている。つまり、反ファシズムをイメージして作ったようなところがある曲なのだ(「調和」「危険」「自由」といった単語が出てくるくだりとか)。だから、あの一件に対する秋元的な落とし前のつけかたというか、アンサーなのではないかと感じた次第。どんなことでも商売の方向へと上手く発想するもんだねえ、と感心したりもする。
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