ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

愉しいコンビニ・ライフ!

「HB」vol.3の「特集◎愉しいチェーン店ライフ!」には、見出し通りの愉しさを綴った原稿が並んでいる。
http://d.hatena.ne.jp/hbd/
それを読みながら、想像したこと。


我が家は、近所づきあいを一切していない。しかし、家から2分ほどのコンビニには、ほぼ毎日通っている。いろんな時間に行っているので、バイトの人たちがどういうシフトで働いているかも、だいたい把握している。向こうだって、僕の顔を覚えているだろう。しかし、毎回、初めて来た客の相手をするみたいに、「お弁当あたためますか? おはしをおつけしますか?」と聞かれるわけだ。あたためない、いらない、と1回も言ったことないんだから、もう、わかってるはずなのに……(←僕は、夜は玄米とか健康そうなものをわりと食ってるが、昼はいい加減な食事ですませてしまうことが多いのです)。
自分がコンビニに日参しているということは、親には話したと思う。では、例えば、僕が突然、事故死したとする。そうしたら、親はそのコンビニを訪れるかもしれない。
「おたくの店の防犯カメラに、息子の生前最後の映像が残っていると思うんです。子どもを亡くした親を可哀想だと思うなら、それをダビングさせてください」
「いや、ほかのお客様も映っているわけですし、個人情報のこともありますから、それはできかねます」
「あなたには、人としての情がないんですか」
「いえ、ですから」
…………。
……………………・。
想像していて、自分で悲しくなってきた。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20071101#p1
コンビニ 2008年 03月号 [雑誌]