新宿へ資料探しに出かけたついでに、高島屋で催されていた「タイムスリップ昭和展 EXPO’70とその時代」を覗く。
そこに展示されたグッズ、レプリカ、映像を見て、今頃気づいたのは、70年の大阪万博で岡本太郎の手がけた「太陽の塔」とウルトラマン(66年放映開始)は、意外に近いイメージだったのだな、ということ。「太陽の塔」は、お祭り広場の鉄骨の屋根から頭を突き出すようにして建っていた。一方、ウルトラマンの変身は、空に向けて巨大化する姿を上からとらえた映像で表現されていた。ともに、ニョキニョキと伸びていくイメージだったのである。
また、「太陽の塔」が白地に赤のラインの入った姿だったのに対し、ウルトラマンも銀のボディにやはり赤のラインが入っていた。銀を輝いた白と解釈するなら、両方とも白地に赤なわけで、日の丸や旭日旗に通じる配色である。そんな風に“日本”的なデザインで、ニョキニョキと伸びる姿を誇らしげに見せていたのだから、「太陽の塔」とウルトラマンは、いかにもこの国の高度成長期の空気を象徴していたのだな。――と今さらながら思ったのでした。
実は、「太陽の塔」やウルトラマンについて自分は、幼少期にまずモノクロTVを通して記憶が刷り込まれた。だから個人的な実感としては、僕はそれらに赤い記憶を持っていない。もしカラーTVで見ていれば、2つの類似性を当たり前に記憶していたはずなのに……。
実家はなかなかカラーTVが買えなかったんである。モノクロで見ていたせいで気づかなかったことが、ほかにもいろいろあるんだろうな……と思うと、なんかわびしくなります。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20050403)