昨夜は新木場のSTUDIO COASTで、ナイン・インチ・ネイルズを見た。
かつてのNINのステージでは、スクリーンが演出上大きな意味を持っていたが、今回は映像はなし。コンセプチュアルであるよりも、ギタリストがダイヴしたり、トレント・レズナーが客にマイクを向けたり、ステージと客席の一体感を強調するライヴだった。またバンドの演奏は、ニュー・アルバムの音像よりもヘヴィ・ロック色が濃い(ギターのトーンとか)。
現在進行中のツアーに関してトレントは、ロック・スターであることを素直に引き受け、サウンド・クリエイターというより、ヴォーカリストとして臨むことを選択したようだ。その意味では、なかなかの横綱相撲になっていたと思う。
トレントは、「Eh! eh! eh!」と叫びながらこぶしを突き上げ、客を煽ることを繰り返していた。声だけ聞いていると、なんだかマリリン・マンソンと近い煽りかただなと思うのだけれど、逆光で彼の動作を見ると、今の髪型と体格がああだから、シルエットがけっこう長渕剛だったりする(笑)。
で、トレントの誕生日が前日の5月17日(1965年生まれ)だったため、昨夜は会場から「ハッピーバースデー」の合唱が起きた。でも、そんな祝賀ムードの直後に歌いだされたのは、あの絶望的なバラード〈HURT〉なのだった。ナイン・インチらしいというべきか、あれはお誕生日会と葬式をはしごしたような妙な感じだった。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20070508#p1)
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