ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

デヴィッド・ボウイ《ステージ》新盤

Stage
旧盤では作曲年代順に並べ変えられていたのに対し、実際のコンサートにしたがって曲順を戻し、未収録曲も加えた新盤。当たり前の話だが、前より聞きやすい流れになった。
ボウイに関してはグラム・ロック時代以上に、《ステイション・トゥ・ステイション》(76年)、《ロウ》(77年)、《ヒーローズ》(77年)の時代を僕は好んでいる。なのでライヴ演奏の完成度が高く、この時期のベストとしても聞ける《ステージ》は、昔はかなりの回数聞いた。新盤もけっこう聞くことになりそう。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20041229
ちなみに、《デヴィッド・ライヴ》も新盤が出ている。ASIN:B00070DK5K

エイドリアン・ブリューを擁護する

この時のツアーに参加したエイドリアン・ブリューのギター・プレイについて、未だに批判的な声を聞く。ブリューがその後キング・クリムゾンに参加したために、パンク後のロックを評価するがわからは、彼が旧いがわのプレイヤーだと見られがちになった経緯がある。逆に旧いがわのファンは、ブリューの新奇さをなかなか受け入れなかった(90年代以後のクリムゾン・ファンの段階で、ようやくニュートラルにブリューを受け入れるようになった感じだが)。
しかし、80年前後のブリューといえば、クリムゾン以外では、トーキング・ヘッズ、トム・トム・クラブ、坂本龍一(《左うでの夢》ASIN:B00004VPJV)、ローリー・アンダーソンなど、基本的にはニューウェイヴ勢に客演するほうが多かった。
ブルース・ロック以降の流暢で長いアドリブ・ソロ(への崇拝)を拒絶すること。それがパンク〜ニューウェイヴ期のギター・プレイであって、リズム楽器に徹してひたすらリフを弾く(叩き出す) or 弾くのではなく効果音的に鳴らす――2方向があった。後者の効果音指向のギターは、シンセをプログレ的に弾くのではなく、テクノポップ/エレポップ的に鳴らす同時代の傾向ともシンクロしていたし、その代表格がブリューだったといえる。だからこそ彼に対し、あちこちから客演の誘いが舞い込んだ。つまりブリューは、ポスト・パンクのギタリストだったのだ。
まぁ、性格が明るすぎるうえ、エレファント・ギターに象徴される親しみやすい「大道芸」性などが、彼を必要以上に軽く見させてきたのは、しかたない面もある。けれど、もう少し評価してあげてもいいよな、と個人的には気の毒がっている。
(ちなみに今のブリューは、効果音のプレイヤーというより、まともにポップの人になったと思う。彼のソロのアコースティック・ベストなどはなかなかいい雰囲気である。《サラダ・デイズ》ASIN:B00008PT2M


(追記:フリップ&イーノの新譜(!)が出ていることを知った。 → http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/20050407 入手せねば)

  • 今夜の献立
    • 和風ハンバーグ(豚ひき肉、玉ねぎ、しいたけ、白みそ、ゴマ油)。フライパンで焼いたものの火が通りきらず、レンジでさらに加熱。味噌の風味はすっかり吹き飛んだので、フライパンの残り汁、味噌、赤ワイン、からし、白ごまでソースを作って、後からかける。
    • えのきソテー
    • ほうれん草のおひたし
    • ポテチ
    • 発泡酒、チューハイ