ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

MY CHEMICAL ROMANCE live

昨日、渋谷クアトロでマイ・ケミカル・ロマンスを見た。《ザ・ブラック・パレード》と同じく、〈ジ・エンド〉がオープニング(←デヴィッド・ボウイ《ジギー・スターダスト》1曲目の〈5年間〉に似てるよね)。ギター2人のうちフランク・レロが急病で帰国したため、代役を立てての公演だ。サポート・ギタリストは、自信なさそうにコードを弾くくらいであり、音を薄くしないという程度の役割しか果たせていない。そんな演奏にとどまったにもかかわらず盛り上がれたのは、他のメンバーがかなり頑張ったからだが、曲自体の平均点の高さによるところが大きい。メリハリがはっきりしてるから、合唱しやすいし、拳を突き上げやすい。そんな、わかりやすい起伏を持った曲が、次から次へ出てくる。
特に、グラム的というかクイーン的というか、一気にシアトリカルになった《ザ・ブラック・パレード》で、彼らの曲作りは突き抜けた感がある。
ステージ上では、ジェラルド・ウェイの動きが面白い。白い顔をしたぬいぐるみの熊さんが暴れてるみたいなこのヴォーカリストは、掌を上下させるヒップホッパー的なしぐさや、客に頭上で腕を振るよううながす動作、また顔の脇で手をひらひらさせるとか、手の表情が豊か。また、アルバムではライザ・ミネリ(←フレディ・マーキュリーのアイドルだった)がゲスト参加していた〈ママ〉を、彼が誇張したジェスチャーで歌った場面など、“ミュージカル・パンク”とでも呼びたい風情だった。
それにしても、仰々しく展開する〈ウェルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード〉は、やっぱりいいな。今度は、バンドが万全の状態で見たい。
ザ・ブラック・パレード(初回限定盤)

  • 最近自分が書いたもの


どん底だった気分は、やや回復の兆し。