大御所が好きな自分の曲を選び、指名した若手にカヴァーさせるというチャリティ企画。そのうち、気になった曲について。
○フランツ・フェルディナンド〈コール・ミー〉(オリジナル:ブロンディ)――もっとディスコなアレンジかと思ったら、意外とロックなリズムになっていた。フランツの新譜《トゥナイト》も以前より落ち着いた作風だったしな(同作には賛否両論あると思うが、僕は肯定派)。
○ホット・チップ〈トランスミッション〉(ジョイ・ディヴィジョン)――女性ヴォーカルのせいか、あの真っ暗なジョイ・ディヴィジョンが多少おしゃれに聞こえるような。これも、もっとダンスっぽくなるかと想像したのに、わりと抑えめのアレンジ。
○TVオン・ザ・レディオ〈ヒーローズ〉(デヴィッド・ボウイ)――カヴァーされる回数は多いものの、オリジナルはけっこうのっぺりしていて起伏にとぼしいアレンジである。その点、このヴァージョンはリズムの刻みを細かくしたり工夫をしている。わりと好き。
○シザー・シスターズ〈ドゥ・ザ・ストランド〉(ロキシー・ミュージック)――原曲のズンドコ・リズムが、80年代エレポップ風なディスコ・サウンドに化けている(むしろ、フランツよりこっちの方が〈コール・ミー〉っぽく聞こえる)。シザー・シスターズ特有のあのファルセットに続いて鳴り始めるのは、ゲイリー・ニューマンまがいのシンセ・フレーズ。このキラキラした嘘臭さは、とてもよいと思います。
- 最近自分が書いたもの
- 貫井徳郎著『天使の屍』(集英社文庫)asin:4087464040の解説
- 「憶病者のサヴァイヴァル」(『ウサビッチ』に関するコラム) → 「ROCKIN’ON JAPAN」3月号