ジョン・アンダーソンのソロ来日にあわせ、GYAOで無料放送されているYESの『シンフォニック・ライヴ』を、最近、見た。
http://www.gyao.jp/
YESがオーケストラと共演した2001年の映像である。これまで見逃していたものだが、バンドの全盛期だった70〜80年代のキーボード奏者は参加していないのは知っていた(メンツはジョン・アンダーソン、スティーヴ・ハウ、クリス・スクワイア、アラン・ホワイト)。だから、キーボードなしで、その分をオーケストラにアレンジし直したものだとばかり思い込んでいた。
ところが、実際に見てみたら違った。若手のサポート・メンバーがキーボードを弾いていて、しかもリック・ウェイクマンやパトリック・モラーツのフレーズをわりと忠実に再現してくれる。したがって、ロック+オーケストラ共演にありがちな結果になっている。オーケストラが、単純にコードを厚く鳴らすために使われる場面が多く、音が重たくなったぶん、全体としてリズムのキレが悪くなるあのパターン。
《こわれもの》、《危機》といったYES絶頂期の曲は、後から振り返れば、ロックらしいリフを中心にしたアレンジの魅力だった。ギター、キーボード、ベース、ドラムが一定のリズムのもとに結びついてうねりを作り出す。バンドの音が緊密に一体化しているので、それ以外の音はつけたしになってしまう。『シンフォニック・ライヴ』で、そうなってしまっていた曲の代表が、〈危機〉だろう(もしキーボード奏者がいなければ、あのリック・ウェイクマンの名ソロをヴァイオリンにやらせるとか、違った面白さを出せたろうに)。
一方、YESでも《海洋地形学の物語》、《リレイヤー》では、ロック的なリフよりも、旋律また旋律という、いわゆるクラシックっぽい作りになっていた。このタイプの曲は、メインのメロディに対し、オーケストラがいろいろ絡みつく余地がある。なので、『シンフォニック・ライヴ』では、〈儀式〉と〈錯乱の扉〉がベスト・プレイだと感じた。
そのほか、気になったことを2点。
〈ロンリー・ハート〉の例のオーケストラ・ヒットを、本物のオケにやらせることなく、結局、キーボードですましていた。あのソリッドなタイム感は、やっぱり実際のオケでは無理なのか。
あと、アンコールにバンドだけで演奏した〈ラウンドアバウト〉では、オーケストラの若いおネエちゃんたちがステージに並んで踊り狂っていた。ジョン・アンダーソンが、とても楽しそう。おじさんヴォーカリストの喜色満面の表情、どうも既視感がある。ブライアン・フェリーの『ライヴ・イン・パリ』ASIN:B0000D8RTA。
フェリーのこのライヴは、ジャズっぽいビッグ・バンドを率いて行われたものだが、ストリングスとハープを、モデルみたいなきれいなおネエちゃんたちが担当していた。そのおネエちゃんたちが、アンコールの〈レッツ・スティック・トゥゲザー〉でいっせいに立ち上がってコーラスをつける、というか黄色い声をはり上げる。その時のフェリーの嬉しそうな顔を、『シンフォニック・ライヴ』のジョン・アンダーソンの表情で思い出した。
ジョン・アンダーソンとブライアン・フェリー。音楽家としてのタイプはまったく違うけど、若い女に対するおじさん特有の無邪気さでは一緒なのでした。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20050305#p1)
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