ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

WORLD DRUMMERS ENSEMBLE《A COAL OF MANY COLORS》

Coat of Many Colours
KING CRIMSONから離れ、自身の考えるジャズばかり演るようになったBILL BRUFORD(ビル・ブラッフォード? NO! ブルフォード!!)については、もうあまり追っていない。でも、先日、ディスクユニオンで見つけたこれはいいと思う。
昔、FRANK ZAPPAバンドにいて、今夏にはALLAN HOLDSWORTHの来日公演に同行するドラマー、CHAD WACKERMAN。
ADONNA、ERIC CLAPTON、JACKSON BROWNなど多くのレコーディングに参加してきたアフロ・キューバン・パーカッションのLUIS CONTE。
セネガルの民族楽器奏者DOUDOU N’DIAYE ROSE。
そして、BRUFORD。
彼ら4人のドラマー/パーカッショニストたちのライヴ共演を収録している。自分はCRIMSONファンなので、当然、BRUFORD目当てで買ったのだ。
6人編成時代のCRIMSONがツアーで披露していた“CONUNDRUM”、“PRISM”を取り上げている。加えて、デュアル・ディスクのDVD面では、“B’BOOM”まで叩いてくれている(とはいえ、一応DVDではあるが動画ではなく、曲ごとにステージ写真が1枚ずつ映るだけ)。BRUFORDは6人CRIMSON時代に、もう1人のドラマーであるPAT MASTELOTTOに“パワー”を担当させたようなところがあった(本人は“知性”担当、笑)。それに比べるとここでの共演は、4人のフレーズ同士が絡み合う細かな綾に妙味がある。だから、かつての曲もかなり表情を変えている。
変則フレーズ、ポリリズムエスノといった、これまで自分がBRUFORDに求めてきたパーカッションのアレンジが、他の優秀なプレイヤーとの連携により思う存分展開されている。まるで、“THE TALKING DRUM”の前半が延々と続くみたいな興奮というか。それはつまり、ちょうど頃合だろうと感じた時になっても、ROBERT FRIPPのギター・リフが切り込んでこないことを意味するのだが(笑)。
なにしろ、ステージではいわゆるメロディは演奏されず、打楽器奏者しかいない。まぁ、ディープなファン、マニア向けではあるけれど、YES、KING CRIMSON以外のBRUFORDのプレイとしては、僕はかなり好き。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20041130#p1