『ミステリアス学園』ISBN:4334740472、ミステリのお約束をネタにした素っ頓狂でおバカな小説。トリックには同傾向の先行作があったけれど、鯨のこれはこれで、楽しめる作りに仕上がっている。理屈づけの無理矢理さとか、後から読み返した時の伏線の強引さとか、おもろかった。よーやるわ。
この本の左下には、それ自体がミステリ小噺であるパラパラマンガが付いていて、小説内容にも生かされている。
で、カッパ・ノベルスだから、本のあちこちに例のカッパのマークが印刷されてるわけです。冒頭には、マンガとカッパが並んだページがあるし、パラパラマンガの最後は、2ページをはさんでカッパと背中あわせ。でも、パラパラマンガの登場人物は、カッパの存在を知らないまま動いている。だから、やりようによっては、「カッパが犯人だ!」とパラパラマンガで名指す形に持ってくことも可能だったんじゃなかろうか――と思いました(笑)。