ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

NINE INCH NAILS《YEAR ZERO》

イヤー・ゼロ~零原点・・・
ナイン・インチ・ネイルズの《ザ・フラジャイル》(99年)は、人気バンドとしてのポップさを維持しつつ、当時のロックのスタンダードとは違った音像を目指した点で、レディオヘッドの《KID A》(00年)と並ぶ意欲作だったと思う。だが、《ザ・フラジャイル》は、《KID A》ほどの好反応は得られなかった。
6年後の《ウィズ・ティース》(05年)は、前作の反動だったのだろう。それ以前のナイン・インチ・ネイルズで聞かれたタイプのメロディ、音色が多く登場し、保守的な内容になっていた。同作に伴うツアーを記録したDVD『ビサイド・ユー・イン・タイム』asin:B000MQ4ZT4が今年3月に発売されたが、それを見ても、やはり〝手堅い〟という印象を持った。
しかし、このニュー・アルバム《イヤー・ゼロ〜零原点…》は違う。ノイズのコラージュが目立つし、《ウィズ・ティース》とは異なり、不安定で歪んだ音色をリフに使った場面が少なくない。スタンダードに安住したくないという意欲が、戻ってきている。なかなかよい。
ノイズ比率が高いとはいえ、《ザ・ダウンワード・スパイラル》(94年)〜《ザ・フラジャイル》の頃みたいな陰鬱さに帰ったわけではない。かつては、〈ミスター自己破壊〉なんて内向きな詞を書いていたトレント・レズナーが、新作ではブッシュ政権下のアメリカ批判という外向きな姿勢で歌っている。そのためか、ノイジーサウンドのわりに風通しがよく、ヴォーカルもポップに聞こえる。
来週の来日公演が楽しみ。

  • 8日昼の献立
    • 玉子焼き(煮干粉、しょうゆ、長ネギ)
    • 豆腐と長ネギの味噌汁
    • 水菜(ポン酢)
    • 胚芽米ごはんに刻んだシソをまぜまぜ
  • 8日夜の献立
    • スパに市販のミートソース
    • キャベツ(塩もみしてから、刻んだこんぶ、かつぶし、梅酢を加えてまぜまぜ)
    • 若芽こんぶ(ポン酢)
    • 残りものの味噌汁