今日は胃がん検診だったのだが、順番待ちの時間が長すぎて、午前中がまるまるつぶれてしまった。
で、バリウムを飲みながら思った。
最近、文庫化された法月綸太郎『生首に聞いてみろ』には、生身の人体を型にとって石膏像を作る芸術家が出てきた。
あれは体の外側から型をとる話だったが、逆に超強力に固まるバリウムを飲ませ、人の胃や腸の空洞を内側から型どるのが芸術だと主張する人物がいたとする。前日の夜から食べものと飲みものを絶っていれば、胃や腸の内壁がきれいに型どれるはずなのである。彼が自分の作品を取り出すためには、人体を切り裂くしかない……。
- 最近自分が書いたもの
- 「門井慶喜『人形の部屋』――ペダントリーの有効と無効」 → e−NOVELS 週刊書評http://www.timebooktown.jp/Service/e-novels/syohyo.asp?Index_No=14