あまりにもいろいろと煮詰まってしまい、にっちもさっちも頭がフリーズなので、現実逃避になごみ系映画を見に行った。
モンゴル南部の遊牧民族の暮らしを描いた話。若いらくだが難産の末、初めてもうけた子どもはなぜか白かった。難産でいやけがさしたのか白いのが嫌いなのか、乳を欲しがって腹の下に子らくだがもぐりこんできても、母らくだは無情にも膝蹴りをくらわして全然呑ませようとしない。らくだの親子関係を心配した遊牧民一家は、馬頭琴による音楽療法を行うべく、演奏家を呼ぶために子どもたちを町まで行かせるのだった……。
ありがちな動物愛ストーリーである。子どもたちが町に行くエピソードは、「はじめてのおつかい」風でもある。でも、日本のテレビみたいに演出がベタベタしていない。淡々と、というか、大雑把に遊牧民の生活を素直に映していて、でも、こちらからするとその暮らしぶり自体がすごいなぁと素朴に思えてしまうものだから、けっこう楽しめた。それにしてもらくだって、口もとが可愛いなぁ。
なんで、こんな映画を見に行ったかというと、我が家には三歳児がまたがれるくらいの大きならくだのぬいぐるみがいるからだ(いや、三歳児はいませんけど)。らくだにしてはどうにも、モコモコに肥ったぬいぐるみで、ちょっと羊と区別がつかないような風情ではあるのだが、以前は彼女の背を枕に本を読んだり音楽を聴いたりしていた。残念ながら現在は、彼女の周囲に本をたくさん積んでしまったので、近くに寝そべることもできないが。で、ぬいぐるみのらくだとは毎日顔をあわせているが、たまには生きた動くらくだが見たいと思い、ちょうどお手頃な映画に出かけたわけ。おみやげに口をもぐもぐさせている白らくだのポスターを買ったので、ぬいぐるみらくだと顔をあわせる位置に貼ってやろうと思う。
それにしても煮詰まりすぎて、逃避で酒呑んだり馬鹿食いしたりを続けたせいで、胃が痛くて気持ち悪い。まともに料理する気にならない。今日はさばの塩焼きでお茶をにごそう。
- 最近の文章仕事(今回は『暗黒館の殺人』祭り)
- 「ミステリ史とアヤツジ史の重ねあわせ」 → 「ダ・ヴィンチ」(メディアファクトリー)10月号綾辻行人特集
- 綾辻行人インタビュー → 「IN★POCKET」(講談社)9月号
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/10
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 95回
- この商品を含むブログ (223件) を見る