昨夜、東京国際フォーラムで、ヘヴン・アンド・ヘルを観た。要するに、ロニー・ジェイムズ・ディオ在籍時代のブラック・サバスの再結成である。だが、あえてそう名乗らないことによって、オジー・オズボーン時代のサバスの曲はやりませんよと、あらかじめ断っているわけだ。
となると、選曲の幅はかなり限定されてしまう。ディオやトニー・アイオミの他の代表曲も聞きたい気はしたが(前者だったら〈スターゲイザー〉、〈ウィ・ロック〉、後者だったら〈アイアン・マン〉、〈ウォー・ピッグズ〉とか)、まあ、いい。どの曲がどうこうという以前に、
・ 「にょ〜 のょ〜 にょうっ!」と聞こえるディオ独特のこぶし回し(メタル界の北島三郎)
・ トニー・アイオミの沈み込むようなへヴィなギター・リフ
――この2つの組み合わせを自分は聞きたいと思ったのだから。それに関しては、もう存分に堪能させてもらった。
イアン・ギランやロバート・プラントは、もうハード・ロックのヴォーカリストとしては亡霊と化しているのに、ディオがあの歳であそこまで張りも伸びもある歌声を維持しているのは、とにかく凄い。また、ギーザー・バトラー、ヴィニー・アピスのリズム隊が、ずっしりと存在感を示していたのもよかった。
昨夜のベストは、〈チルドレン・オブ・ザ・シー〉だろうか。
- アーティスト: ヘヴン・アンド・ヘル
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2007/08/29
- メディア: CD
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今回、オープニング・アクトのトリヴィアムが、なんとも古典的なツイン・リード・ギターのハモリで愚直に攻め、会場から暖かい拍手をもらっていたのも、微笑ましかった。やっぱりメタルは、伝統芸能だねぇ。