ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

《ボッサ・クイーン》

ボッサ・クイーン

ボッサ・クイーン

最近になってこのアルバムの存在を知り、Amazonから取り寄せた。
ボサノヴァによるクイーンのカヴァー集である。クイーンの場合、分厚いコーラス、ブライアン・メイによるギター多重録音、そしてあのフレディ・マーキュリーの芸風といったぐあいに、みっしり詰め込んだサウンドと油っこいキャラの合体であり、とにかく暑苦しい要素ばかりでできている。
それに対し、ここではボサノヴァらしく、アコースティックな風通しいいサウンドにアレンジされ、そこにこのジャンルらしい肩の力の抜けたヴォーカルが乗っている。〈ボヘミアン・ラプソディ〉のあの仰々しいオペラティック・パートまで同様の調子であり、たった1人のヴォーカルでさらっと歌い通している。まるで、餡かけ焼きそばが流しそうめんに置き換わったみたいな変わりようだ。
その意味では、夏向きの1枚。
(関連雑記http://d.hatena.ne.jp/ending/20071219