ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

TIF、サマソニ

FREEDOMMUNEの後、この夏はTOKYO IDOL FESTIVAL、SONIC MANIAおよびSUMMER SONICに行ったのだった。見たものの名前だけメモ。

TOKYO IDOL FESTIVAL

あまちゃん」では、ヒロインとアイドルグループのメンバーたちとの対面に関し、「自己紹介に次ぐ自己紹介」とナレーションがあった。それに対し、アイドルフェスを見た印象は「ありがとうございますに次ぐありがとうございます」というくらい感謝の言葉頻度が高い、というものだった。
自分がパフォーマンスできる場を大きくしたい、増やしたい、いや贅沢はいわないにせよ少なくとも存続したい――という熱意が伝わってくる。連発される「ありがとうございます」を聞きながら、仕事場の確保、維持という意味では、就活の常態化とでも呼べるような環境がアイドルを取り巻いているのだなと思った。


2日間見たなかで一番よかったのはHKT48
彼女たちの新曲“メロンジュース”には「想いすべてしぼって」「あなたにあげたいメロンジュース」というフレーズが出てくる。これは、シーナ&ロケッツ“レモンティー”の「しぼってぼくのレモンを」「あなたと飲みますレモンティー」が下じきなのだろうが、同曲の詞のエッセンスは、レッド・ツェッペリン“レモン・ソング”の「Squeeze me baby, till the juice runs down my leg The way you squeeze my lemon, I'm gonna fall right out of bed」に遡れる。その詞もまた、ロバート・ジョンスン“トラベリング・リバーサイド・ブルース”の「You can squeeze my lemon till Juice run down my leg」がルーツだったりする。果実の系譜である。


ふと気づいたのだが、HKTの村重杏奈、リンダIII世のサクラ、トリンドル玲奈春香クリスティーン、そこらへんの顔を適度にミックスすると、私の好みのど真ん中になるはず。だからなんなんだという話だが。
愛犬アンソニー [DVD]

SUMMER SONIC

3日間のパフォーマンスのベストはサカナクション、最も衝撃を受けたのはBABYMETAL。後者は、Perfume、あるいはマリリン・マンソンスリップノットのステージを初めて見た時のことを思い出したりした。ライヴにおけるコンセプトの押しの強さっつうか。
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3日間の合間には、考えるところあって、スティーヴン・キング『キャリー』を数十年ぶりにちびちび読み返していた。そうしたなかでジョニー・マーの歌うザ・スミスの“ハウ・スーン・イズ・ナウ”“ゼア・イズ・ア・ライト”を聴いて、『キャリー』と共通する心性を感じた。これらの作品に久しぶりに接してみて、若年期の人間関係をめぐる鬱屈が思い出され、なんともいえん気分になった。
ハットフル・オブ・ホロウ(紙ジャケット仕様)キャリー (新潮文庫)


  • 最近自分が書いたもの
    • 肉声をかくした「メカクシティ」で見る夢――じん(自然の敵P)がボカロのロックで表現したもの → 「ROCKIN’ON JAPAN」9月号