コロナに対する政府の初動の実態と国民の認識のズレがどう生じたか検証した本。「耳を傾けすぎる政府」が実効性に疑問の対策を決め、実行に時間がかかり、民意を聞いているようにみえなかった経緯がよくわかる。短期間でここまでまとめた著者に感服。特に重要なのは、過去の新型インフルエンザの経験を社会とメディアが忘却していたことが、今回のコロナ禍の混乱につながったという指摘だろう。ふり返れば、この社会は、いろんなことを忘れてきたのだった。
最近の自分の仕事
-人工知能、監視社会、加速主義……中村文則『R帝国』はコロナ禍の現実とシンクロする https://realsound.jp/book/2020/08/post-609599.html
-ノストラダムス「大予言」の残像 終末迎えず20年、6月に著者・五島勉さん死亡(コメント取材) 朝日新聞(8月30日)https://digital.asahi.com/articles/DA3S14603520.html?pn=3
-『群像』編集長・戸井武史が語る、文芸誌と社会「“時代”への問題意識を表現できる媒体に」(取材) https://realsound.jp/book/2020/09/post-615358.html
-IT革命、ケータイ小説、ライトノベル……“ゼロ年代”に文学はどう変化した? 文学批評の衰委と女性作家の台頭 https://realsound.jp/book/2020/09/post-615756.html