ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

映画『ジーザス・クライスト=スーパースター アリーナ・ツアー2012』

http://www.jcs-movie.com/

舞浜のシネマイクスピアリで、ロック・ミュージカルの古典の舞台映画を観てきた。
最新版演出の特色は、ロックのライヴ会場にあるようなステージ背面の大型スクリーンの使いかた。そこには、ネットと連動した各国の社会運動やデモ、アノニマスの仮面集団などが映される。また、画面には、PCのネット動画風、あるいはSNS的に文字が並ぶ光景も映され、芝居の途中ではニュースショー風の展開もみられる。
聖書の福音書が伝えている若きカリスマによる宗教の変革の物語を、近年の社会運動と重ねて描いているのだ。早い話が、「ジーザス・クライスト・“ソーシャル”・スター」という印象。今、この物語を再演するなら、こうなるのは当然だよな、と思った。


あとは雑感。
マグダラのマリアのむきだしの肩に「女力」という漢字のタトゥーが施されていた。いや、性/聖の両面をあわせもつ彼女の存在は、なるほど女性の力を象徴しているわけだが、それにしても「女力」って違和感が……。女相撲じゃないんだから……。


「彼の愛しかたがわからない」と涙ながらに歌ったユダは、ジーザスを裏切って死に追いやったことを悔いて、自らも首を吊ってしまう。だが、カーテンコールではユダとジーザスが並んで再登場し、笑顔で手をつなぐのだ。この愛憎の振幅の激しさと、無邪気なふれあい……。思いっきり、BLだ……。


ユダの髪型、メイク、顔つきが、KORNのジョナサンみたいだった。
ステージ・デザインは、ストーンズU2のツアーなども手がけたことがあるマーク・フィッシャー。
ジーザス・クライスト=スーパースター アリーナ・ツアー [DVD]