ハードでハードでキャッチーなナンバー、シアトリカルな組曲、昭和歌謡風など、曲ごとの雰囲気の変化が楽しい。特に終盤の“Ride a Tiger”、“フェニキスの涙”のたたみかけが素晴らしい。
で、私的には隠しトラックで“ハム”を入れてもよかったかのではと思ってみたり。動物がテーマのアルバムで最後に豚肉の塩漬けの曲? みたいな(笑)。Pink Floyd『The Dark Side Of The Moon』のエンディングに"There is no dark side of the moon, really.“ってセリフがあってオチをつけてるあんな感じになったのではないか、と。悪趣味ですかそうですか。
プログレつながりということで某CDショップにおいてこのアルバムとKing Crimson『In the Court of the Crimson King』が並べられてる写真がツイッターにアップされてたけど、収録曲のオマージュ元としては次のようなものがあげられている。
“えれFUNと"女子"TALK” → King Crimson“Elephant Talk”(『Discipline』)
“羊たちの進撃” → Goblin”Suspiria”(『同』)、“Zombi”(『同』)
“フェニキスの涙” → Rush”YYZ”(『Moving Pictures』)
このうちRushに関しては下記のように私も執筆したムックが刊行されたばかりだが、“フェニキスの涙”のパフォーマンスを見て以来、“YYZ”のエンディングを聴くたびにキスエクのメンバーがジャンプしてる絵を思い浮かべずにいられない体になっている。
最近の自分の仕事
-翻訳者・土屋政雄に聞く、ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの言葉選びと創作姿勢(インタビュー・構成)https://realsound.jp/book/2021/05/post-755233.html
-福嶋亮大が語る、平成文学の負債と批評家の責務 「灰から蘇ってくるものも当然ある」(インタビュー・構成)https://realsound.jp/book/2021/05/post-754213.html
-連載コラム「夜明けの紅い音楽箱」(とりあげたのはローラン・ビネ『言語の七番目の機能』) → 「ジャーロ」No.76
-COLUMN 作詞家ニール・パート → 『THE DIG presents ラッシュ その軌跡と栄光』